「ころころろ」

今日は午後から、ずっと雨。
じりじりと音もなく降っては、ふっと止んでみたり。
まさに、時雨でした。
葉を落とした樹の小枝に小さく雨のつぶが規則正しく
たくさん並んでひっついていました。
ひとつぶひとつぶがちゃんと見えました。
ガラスの粒を編み込んだショールをまとっているかのような
木々の佇まいは、寂しげにでも凛としていました。
こういう樹の姿を見ることのできるのもこの季節だけです。
晩秋と初冬のあわいにいて、移ろうときの思いがけない顔に
ときどき見惚れてしまいます。
いつもの年よりだいぶ暖かい十一月です。
でも、明日は寒そうです。
ようやく暖房が入り始めました。
入れば入ったで、無駄に暑すぎるときもあって。
さて、明日は何を着ていこうかな。


川柳のお仕事が今月、どうやら三つになりそうです。
それも締切がほとんど同じです。
今週から来週にかけて、死に物狂いでやらないと
間に合いそうにありません。
そんなに抽斗がある訳じゃないけれど、心して
取り組みます。


この間読んだ時代小説は例の「しゃばけシリーズ」の
最新刊で「ころころろ」。
職場の若い女の子が貸してくれました。
若だんなの目が突然見えなくなってしまう、ちょっと
思いがけない展開で物語が進んでいきます。
相変わらず「妖し」たちはとんちんかんですが、
そのとんちんかんぶりに心が和みます。
「頑張れ、若だんな」って途中何度も思いました。
川柳のお仕事の合間に、また読み返すつもりです。
ありがとう、K子ちゃん。
それにしても、いぢわるな神様もいるもんですね(笑)


肌いろの手袋につく涙つぶ   玉

サルビアの蜜サルビアの口で吸う   かなえ