「一の糸」読了

昨日のブログにミスタッチがいっぱいでした。
読み直したつもりなのにぼんやりしてたんですね。
気をつけなくては。

「一の糸」読了。
文楽の世界を知らなくても、充分読み応えありました。
女主人公の茜が初めて文楽の三味線奏者の露沢清太郎の三味線を聴いたときの
描写に、私が初めて竹内獅士丸さんの三味線の聴いたときの衝撃が重なりました。


以下、ちょっとそこのところを書きますね。


(略)なんという音色だろう。(略)三味線は、細く妙なる音を響かせていたが、
時に思い切った撥先が指を放した一の糸に叩くように当ると、強く、だが深く、
鈍く、だが明るい音色を生んで、それは三味線弾きの心から直に観客の誰をも憚らず
茜の体にしみ通るように響いてくる。
(略)太棹にかけられた三本の糸の中で、一番太くて、一番技巧を嫌う糸が、
こんなに強く喜怒哀楽を物語ることができるとは(略)


ここを読んだ時、獅士丸さんの三味線の音色が響いたような気がしました。
今、獅士丸さんはお仕事で北海道にいますが「黒石よされ」には地方(じかた)で
三味線を弾きに帰ってきて、またストリートに出るそうです。



誰よりも僕はいっぱい呼吸する   玉

ふりあおぐこっぱみじんの色硝子   かなえ