天の邪鬼

ついに来ました。
えーと、締切のある川柳の方のお仕事の資料です。
これから毎月半年間、締切に苦しみます。
でも、その苦しみが楽しかったと言えるよう頑張ります。

またまた、玉さんの句がよく解らないというお声を聞きました。
嬉しいです。玉さんも喜んでおりました。
玉さんも私も、解らないと言われることが解ると言われることと同じくらいに
嬉しかったりします。
天の邪鬼ですね。


人間をゆっくり落ちていく石だ   玉


実は、私も解りません。
この句は大会の「石」と言う題で天位(一番)を取りました。
その大会は句が選ばれ読み上げられる前に、投句したものを
無記名で全部プリントアウトして配布します。
それを、発表の前にざっと目を通すのですが、その時この句に
私は釘付けになりました。

まっさきに浮かんだのは、真っ暗な宇宙をどこまでも落ちていく人間の姿でした。
宇宙に落ちるということは、落ちながら浮くこと。
数多の星に取り囲まれ、あわあわと漂い落ちる…。
そう思い浮かべると、たとえようもない安らぎさえ覚えたものでした。

逃げるわけではありませんが、このような句は無理に意味を考えないで
イメージを大切に読んでいただくしかありません。
「人間」と「を」の間にある何かを感じていただければと思います。


千手観音の背中がピンクではないか   玉

どこからか螺子を巻く音屋敷町   かなえ