えんぶり

今日も、きりっと冷えました。                       
真冬の寒さでした。
小雪がちらつき、冷たい空気が流れて、
まだまだ、油断のできない季節です。
やっとえんぶりがはじまりました。
えんぶりと言うのは、この地方の冬のお祭りです。
成立は、今日の地元の新聞によりますと、江戸時代の
中ごろになるそうです。
でも、起源となると、もっと遡って鎌倉時代あたりとも
言われています。およそ八百年以上も昔になるのでしょうか。
この地方の春を待つ、あるいは、春を招ぶお祭りです。
初めてえんぶりを見たとき、なんて不思議な行事だろうと
思ったものでした。
華やかでもにぎやかでもなく、男のひとが何人かで、
黒い装束で頭に変な帽子みたいなもの被って踊っている姿は、
異様とさえ、映りました。
でも、この街のひとは、えんぶりをとても誇りに思っていて、
いろいろ教えてくれました。
黒い装束はブッチャキ羽織。
頭の帽子みたいものは烏帽子。馬の頭を表しているとのこと。
その踊りはえんぶり舞いと言って、
「ながえんぶり」と「どうさいえんぶり」のふた種類があること。
そうそう、大人の男のひとだけなく、大黒様や恵比寿様の格好をして
踊る「えんこ えんこ」と言うかわいい子供たちの踊りもあるんです。
凍てついた北国の真冬の大地の眠りを覚ますこれらの踊りは、
「祈り」そのものと言えるでしょう。
どんなに厳しい寒さであっても必ず来る春を待つ祈り。
豊作を祈る踊りの所作は、決して派手ではありませんが、
静かにその願いの深さを、見る者に訴えてきます。


初めて画像を載せました。
「えんぶり和紙人形」と言います。
えんぶりに魅せられて、そのえんぶりを和紙で人形に
した女性がいます。
なにもかも手探りで始めて、なにもかも手作業の作品です。
強靭な和紙のしわに、ぎゅっと縮んだシボに、作ったひとの祈りがあります。
色は、本当はもっとアイボリーにちかい白ですが、夜に撮ったのと
腕が未熟なのとで、ちょっと違った色になってしまいました。
去年、やっと、一体を手に入れることができました。
いろんな意味でまだまだ未熟者の私にとって、
もしかしたら、手に入れるのが早かったかもしれませんが、
思い切りました。
「えんぶり和紙人形」のこと、また、お話したいと思います。


えんぶりのことは、この街のホームページでご覧ください。
http://www.city.hachinohe.aomori.jp/kanko/festival/enburi/index.html



口笛が安倍晴明だとしても   玉

夜を編む毛糸を買ってくださいな   かなえ