「MANO」15号


今日も、落ち着かない天気でした。
雨こそ降らなかったものの、厚い雲がどっしりと
空に居座り、その間には眩い青空が見えていても、
なかなか、青空ばかりの空にはなりません。
仕事の行き帰りに、バスの窓から見える河の土手の
桜並木が、赤くその枝先を染めています。
蕾が膨らんで、いまかいまかと咲くのを待って
いるかのようです。
もう少し、お日様が照って暖かくなったら、きっと
いっせいに花開くことでしょう。
その、もう少しのときを待ちわびているのが、
ひしひしと桜並木から伝わってきます。
そんな、もどかしくもせつない桜の蕾たちを、
今日も、冷たい藍を滲ませた夕暮れが包んでいるのが、
なんとも痛ましいことでした。


「MANO」と言う川柳の同人誌があります。
メンバーは、樋口由紀子さん、小池正博さん
石部明さん、加藤久子さん、佐藤みさ子さんの五人です。
五人の作品と論評は、ずっしりと読み応えがあります。
「バックストローク」とは違った風が吹いています。
インターネットで読めることは、本当に有難いことです。
    ↓
http://ww3.tiki.ne.jp/~akuru/MANO15.html

おこがましくも、五人の作品から、好きな句を書かせて
いただきました。

自販機のうしろに舟は着いている   樋口由紀子

鼓の合図でラッキョウの皮をむく   小池正博

死にたいと目玉の揺れる夜の木々   石部 明

風がでたようだ曲がっている切手   加藤久

雨に濡れない場所で待たせる再生紙   佐藤みさ子


またまた、刺激をもらいました。
勉強不足の身に、ひしひしとしみるものがあります。
ありがとうございました。


昨日は、「穀雨」。柔らかな春の雨が田んぼや畑を
育む、の意味だとか。
今日の画像は百合根とそこから出た芽です。
この冬に、百合根ごはんにしようと買っておいたのを、
すっかり忘れていました。
そしたら、野菜置き場の隅でしっかり芽を出して
いるではありませんか。
おがくずまみれの芽がふたつ、ビニールの中にもめげず
元気よく伸びているのです。
ビニールの袋を切ったら「ふーっ」と言うように、
立ち上がりました。
もう、食べられませんよね。
こんどの休みに、庭に植えてあげなくちゃ。
庭いじりとか得意じゃないけれど、窮鳥懐に入れば
なんとかとも言いますから(笑)


地球儀が廻るパチンコ玉がまわる   玉

そしてまた新芽のころの不眠症   かなえ