連休の終わりに


今日は、風が強かったのですが初夏の陽気でした。
昨日の鬱金桜にまた会いに行ってきました。
今見ておかなければ、今度いつ見られるかわかりませんから。
買い物がてらの道すがら、娘も連れていきました。
娘は実物は初めて見たとのことで、「神秘的」って言ってました。


さて、長かった連休も明日で終わりです。
東日本大震災のあと、休日も落ち着かないような感じでしたが、
今回はゆっくり休むことができて、気持ちも落ち着いてきました。
寝るときはトレーナーとトレパンみたいなスウェットスーツ、
腕時計はしたまま、枕元には懐中電灯を置いての毎日でしたが、
この連休からは、パジャマを着て眠っています。
余震の心配はまだまだありますが、季節はもう初夏です。
何かあってもパジャマでも大丈夫でしょう(笑)

震災があった三月は、ちょうど卒業式や入学式、入社式を控えての
節目のときだったので、それぞれの式典に影響があったことは、
テレビでもそのその様子を伝えていました。
その現場に対処する先生方や担当者の方々は、本当に大変だったと
推察するに余りあります。
子ども達、あるいは生徒達、学生達も本当によくその状況に対応して、
ちゃんとした態度で臨んでいたのには、とても感動したものです。
「頑張れ」という言葉が今回ほど多く使われた式典はなかったと思います。
そんな場面をテレビで見て、私は「いい日がたくさんありますように」と、
心の中で話しかけています。
これからの日本を支えてくれる若い人たちに、心から楽しいと思える日々が
早く訪れてくれれば祈るばかりです。


ちょっと前の話になりますが、先月の中ごろのことです。
震災からひと月を過ぎていましたが何だか心もとない日々に、
「はっち」のホームページで「和日カフェ」というものを知りました。
【日本文化に親しむ日】というサブタイトルで、どんなものだろうと
ちょっと興味を持ち、行ってきました。
テーマは、「ことはじめ」。日本の伝統文化を観て、体験して楽しめる
企画だそうです。
伝統芸能として、日舞、着付け、こども和太鼓、空手演武、三味線など、
そして、日本舞踊の公演、お花、お茶、墨画、歌会、俳句の句会。
そのうちの俳句の句会に出かけてきました。
「5、7、5」のリズムに生で触れたいと思ったからです。
川柳と俳句は別物ですが座の文芸です。
普段は一人でこつこつ書いていて、それでよしとしていたのに、
震災後、人の集まるところで、実際に言葉で語られる「5、7、5」を
肌で感じたいと、心底願って出かけてきました。
会場は「はっち」の三階、和室ですが掘りごたつ式になっている場所でした。

こちらが、その会場の看板。

そして、句会の様子です。

八戸の「たかんな」という俳句結社が主催で、参加者はおよそ11,2人ほどだったでしょうか。
結社以外の人は、私の他にもうひとり、あと、ギャラリーというか、
椅子席の見学者の方々が十人ほど。
スタイルとしては、予め結社の方々の書かれた句を無記名でコピーしたものが
配られ、それを各自特選一句を含んで4句ずつを選句するというものです。
その場での作句でなくて、正直、ほっとしました。
恥ずかしながら、辞書どころか鉛筆の一本すら持って
行かなかったのですから。
こんな不躾な私でしたが皆さんには、本当に暖かく優しく迎えて頂きました。
会員さんのなかにちょうど娘の小中学校で一緒だった同級生のお母さんがいらして、
親切に教えていただいたのも心強く、嬉しかったです。
句会では、特選句に選んだ句に対して、皆さんが理由を話すのです。
俳句に関してはまるきり無知な私です。専門用語や季語も
不案内でしたが、なんとか理解はできました。
私の番のときドキドキだったのですが、話し終えると結社の主催の先生から
「そういう風に読んでもらうと、作者冥利につきるわね」なんて、
言っていただいて恐縮しました。
二時間ほどの時間でしたが、緊張しながらも楽しく過ごすことが
できました。
どんな句が出たかは残念ながら、ここに発表できませんが、
震災の事を詠んだ句もあって、どことなく安堵のようなものを
覚えたのは、何故だったのでしょう。
今でもよく解りません。ただ、自分のなかに震災の句を書くことに
ためらいのようなものがあったのが、その時から幾分軽減された気がします。
そう言った意味も含めて、参加してよかったと思っています。
「たかんな」の皆さま、本当にありがとうございました。
機会がありましたら、今度は吟行というものに挑戦してみたいと思っている
怖いもの知らずの私です(笑)


こちらは震災のあとヨーグルトや牛乳が品薄だったときに売っていた
ヨーグルトです。はるばる奥出雲からやってきたのでしょう、
ちょっと感激してしまいました。


私は、そのときどきに川柳を書いていて、震災以前の句のストックが
結構あったのですが、震災以後、それらの川柳を発表することに
ためらいがあります。現在の自分の気持ちと違っているからです。
ここに書く句もそうです。
以前の発表句はなるべく避けたいと思っています。
稚拙ですが、できるだけ、今の句を書いていきたいと思っています。
ただ、玉さんの句に関してはケースバイケースで、昔の発表句からの
時もあります。何しろ、放っておくには惜しい句ですから。
これからは、また最初から一から始めるつもりです。
こんな感じですが、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。



なみだってむかしの味がしませんか   玉

桜咲く つなぎ目にある水の匂い   かなえ