十月へと


今日は、厚い雲が覆ったり、パアーッと晴れたりの
繰り返しで、秋らしいと言えば秋らしい一日でした。
今日から10月。ほんと、早いです。
うかうかしていると、夏物を仕舞わないうちに
初雪が降ったりして(笑)。
いや、笑っている場合じゃないくらい、
季節が激しく目まぐるしく変わっていきます。


さて、お約束の玉さんの表紙絵です。
ホワイトを使って描いているのが、心憎い演出です。
空を飛んでいるのは妖狐?玉さんのサインがちゃっかりお月さまに
なっているのも面白いね。
狐が飛びかかろうとしているのは何だろ?
狐の眼付が尋常ではないから、よっぽどの
ものなんだろうね。


「おかじょうき」9月号、月を越えてしまいましたが、
無人駅」から、また好きな句を書かせてください。
「おかじょうき」は月刊誌です。
会員の皆様は、毎月の句会もあり、その上大会も
あったりと忙しいのに、このように毎月会員作品を
書かれていることに、怠け者の私は感動しています。


あぶらあげあるとあんしんしてしまう   岩根彰子

じれったい隙間に月が出始める   きさらぎ彼句吾

一日を仕舞う水溶き片栗粉   熊谷冬鼓

死の方へ傾きかけた日の朝陽   斎藤泰子

折れそうな首よ頭よ電柱よ   坂本勝子

捨て猫のひとみの中に雨が降る   さざき逢石

あじさい俄涙ってあるんだね   高橋星湖

日常のメルトダウンの使い分け   土田雅子

そういえばずっとチリメンジャコな日々   ひとり静

卵割りおいしい呪文なんだっけ   ひらく

ニンゲンはなまものである梅雨である   前輝

原発の話ぶらぶら象の鼻   まきこ

引き金の言葉は知っている残暑   まみどり

ゆっくり走れ夏の日暦路線バス   三浦昌子

星空の弾痕がある格納庫   三上玉夫

刺すなんていけない一人では逝けない   村井規子

アサガオの蔓伸びてゆく危険区域   守田啓子

ねむの花昔話を続けよう   山田楓子

陸橋の下を流れる月曜日   悠 とし子

長月の暗闇坂の五合目は   吉田州花

引きずった跡が濃くなる西の空   安藤なみ

再起動しても瓦礫が消えません   むさし


「ゆっくり走れ」の作者の昌子さんは仙台在住です。
この句を読んだとき、この間行った被災地の田老地区の様子が
浮かびました。ガランとした被災地を走る路線バスは見当たり
ませんでしたが、もし走っていたら私もそう思ったでしょう。
道はまだ充分ではないところがあるのです。
人の心もまた、しかりです。震災後の復興、
急いですることとゆっくりすることがあっていいと思います。
州花さんの句、相変わらず艶がありますね。
大人の女性の余裕を感じました。

夏も終わったというのに、またまた季節はずれの画像です。
職場の一室の窓辺のハイビスカスが咲きました。
夏の盛りには全然気配もなかったのに、最後の暑さを
いっぱい吸収したみたいに、こんな赤です。
咲いたのは多分3年ぶりのこと。
ちなみにこの部屋は、私が3・11の地震の際にいた部屋です。
一緒に地震を感じた植物だと思うと、いっそう今年の花に
愛着を覚えました。

こちらは今日の通りすがりの道に見つけた彼岸花
普段の道でないところを通ったら見つけました。
暖かい地方と比べるとちょっと細っこいけれど、
それでも赤は充分に伝わってきます。

んで、我が家のいろんな花や雑草が伸び放題の庭の隅っこに
ポツンと咲いた、朝顔
今年は我が家も窓の近くに朝顔を咲かせたのですが、
これは、少し離れた柊の木の間から、ポツンと顔を
覗かせていたもの。あのトゲトゲした間から、
よくもまあ咲いたものです。


こんな風な夕焼けを見る時間がどんどん短く早くなっています。

そうそう、たまーに行く骨董屋さんで、この間、
つい買ってしまったもの。左の茶色いのは、お味噌汁を
飲む瀬戸物のお茶碗。小さい時に母の実家に遊びに行くと、
これでお味噌汁飲みました。
骨董屋さんでこれを見つけたときは、懐かしくて思わず
買ってしまいました。一個300円也。
で、右側のは、江戸時代後期の器らしいです。
向こう付けなんかを入れたのではと、お店の人が言ってました。
これはお店に入ったときに真っ先に目についたもの。
多分、この日はこれに呼ばれたのだと思います。
私は値段を忘れていたのですが、一緒に行った娘に聞いたら、
「3,800円だったよ」と教えてくれました。
こんなものに随分高いお金を払うなあと思ったんじゃないかな(笑)。
私も怖いです。次に行ったら何に呼ばれるかと思うと(笑)。
でも、好きは理屈ではないから。
行くのが楽しみです。

この間地下食で買ったもの。
こういうのが普通になるのでしょうか。
お魚だって時間の問題でしょうね。



赤とんぼ男一人のてをひいて   玉

浅はかな朝にも咲いて曼珠沙華   かなえ