川柳の仲間「旬」№176

今日もすっかり晴れて、仕事に身が入らない一日でした。
私ときたらまったく仕事をなんと心得ているんでしょうね。
すみませんです。


今日の画像は今夜の満月。仕事の帰りに空を見上げると、
綺麗な月がくっきり。嬉しいですね。

こちらは、この間の9日の十三夜の月。
少ーし欠けているのがわかりますか?


で、こちらはその十三夜の日暮れ前の月。
雲とのコラボが面白くて、シャッターを切りました。

こちらは、昨日の夕焼け。
遠くに小さく見えるのはセキレイです。
なんだか空ばかり見ていますね(笑)。
秋の空って見飽きません。

ここのところの晴天続きに体は元気なんですが、
家がちょっと落ち着かなくて、どこへ出かけるわけにも
いかず、本ばかり読んでるこのごろです。
相変わらずの時代小説ですが。
なので、買ってばかりにもいかず、せっせと図書館通いです。
でもそのおかげで、知らなかった作家をひとりゲット。
西條奈加という女流作家ですが、文庫本はまだあまり
ないようですが、単行本では何冊かあって、これが
読み応えありました。宮部みゆきの江戸情緒と
宇江佐真理の艶っぽさがいい具合に混じり合った
作風とでも言ったらいいでしょうか。
あまりくどくなくさりとて謎もあり人情もあり、
最後はほろりとさせられて、読後感も申し分なし。
もし、読みたいと思った方がいらしたら、
お勧めは「恋細工」。あのご法度だらけの鳥居耀蔵
時代の錺職人の世界を描いたものですが、久しぶりに
泣かされました。
好きだなあ、職人の世界。
使い勝手のいい心遣いの感じられる小物を使う時、
幸せになります。
最近、人情というものに弱くなりました。
でもね、ちょっと心がへこんでいるときは、
こういう読み物が力になったりするのです。
とまあ、本の話はこの辺で。

「旬」176号をいただいています。
また、好きな句を書かせてください。


妖怪も人もいそうな中二階   宮本夢実

パルテノン神殿があるユーラシア   大川博

ひとりづつ毒を持ち寄る傘の中   小池孝一

隠れたい時にやさしい京都弁   樹萄らき

一度見た地図なら全て消しました   桑沢ひろみ

おかずが少ない小さな皿に盛る   千春

うすいうすい頭皮の下の夢なぜる   川合大祐

ぴったりの歯型でどうもすいません   吉平一岳

食って寝て夢の終わりの二段腹   原 利一

大切な写真も瓦礫そう呼ばれ   丸山健三



らきさんの京都弁の句、面白いです。
京都の人に怒られるかもしれないけれど、あのはんなりした
言い方の表裏をうまく捉えていると思いました。
らきさん、「旬」をいつもありがとう。
一度もお会いしたことはないけれど、川柳という共通項で
つながっているせいか、らきさんの住んでいる場所が
隣町みたいに身近に感じます。


ななかまどがこんなに赤くなりました。
青空と良く合いますね。
でも、ななかまどが似合うのは、うっすら積もった
雪だと思っています。
冷たい雪を乗せた真っ赤なななかまど、いつかここで
紹介したいと思います。


さて、私の所属している「あさひな吟社」の
9月の句会報にも紹介したい句があります。
「退屈」という題で、玉さんの選です。


人位  キャラメルをかこんと鳴らし鶴を折る   千枝

地位  退屈の針を進めて休まない   十九子

天位  眠り猫まだあの門の上ですか?   榮子


千枝さんはまだ30代ですが、十九子さんと榮子さんは
確か70代だったと思います。彼女達の柔軟な発想は素敵でしょ。
この三句を読んで、心底参ったと思いました。


果物で一番好きなのは葡萄。なかでもこのキャンベルが
大好き。そして、秋と言えばアケビと栗も欠かせません。
葡萄とアケビと栗を食べるのが私の秋仕舞いというか
冬支度。今年もたっぷり食べました。
さあ、これでいつ冬がきてもいいぞ(笑)



今日の句は句会の「うどん」の題で。


いっぽんのうどんが海へ流れ着く   玉

傷ついているなうどんが食べたいな   かなえ