なながしろだった頃

暗くなるのが早くなりました。
日中は暑くても夜になると風がひんやりして、
そろそろ夏も終わりですね。
最初の画像は、先週行われた歩行者天国に行ったときの
かき氷を作っているお店の様子から。
この日は日ざしが強くとても暑かったので、
普段はあまりこういうの食べない私でも、思わずオーダー
しちゃいました。


こちらがそのかき氷。シンプルにコンデンスミルクだけ。
でも手動のかき氷機で作ったかき氷はふわふわで、
舌に沁みるように溶けました。
今年最初で最後のかき氷、とっても美味しくいただきました。


さて、お待たせいたしました。
「なながしろだった頃」。
書かせてください。
これは、ふたりの猫大好きな餌やりおばさんから聞いた話です。
そしてふたりともそれぞれにななを「しろ」と呼んでいました。
まず、一人目のSさんは新聞配達をしていて、いつも猫のえさを
持って歩いているひとです。まるで見知らぬひとでしたが、
ななを通じて言葉を交わすようになりました。
Sさんは言いました。
「しろと初めて会った日は、とても寒い日で雪が降っていたかもしれません。
道端に子猫四匹が固まって鳴いていました。
いつ、どこから来たかわかりません。
かわいそうで、もっていた餌をあげたらすぐに食べました。
しろは、とてもひとなつっこくて行くたびにどんどん
慣れてきました。そんな風にそこを通りかかるたびに餌を
あげていたら、そのあたりに住んでいる人から『猫にえさをやるな』と
ものすごい剣幕で怒鳴られて、とても怖い思いをしました。
そのひとは棒でしろたちをつついたりしました。
かわいそうで『やめてください』と言ったりしましたが、
ますますものすごく怒るのです。そのおかげで、そこを通るのが
とても怖かったです。しろはそれでも私を待っていてくれて、
そのうちに私の後をついて来たがりました。でも、私も家に四匹の猫を
飼っていて、とてもそれ以上飼えません。それに連れて帰ったとしても、
しろが今の猫たちに馴染めなくていじめられたら、もっとかわいそうです。
だから、私は心を鬼にして『しろ、来るな』と何度言ったかわかりません。
しろを最近を見ないで心配していましたが、こちらで飼っていただいているんですね。
家の中に入れてもらっているんですね。本当によかった。しろは、しあわせなこだ」と泣きそうな声で言いました。
私は「はい、うちでは今はななと呼んでいます。ちゃんと家の中に入れてます。
安心してください。」とそのひとのやさしさに涙ぐみそうになりながらこたえました。
Sさんとはその後話すことはありませんが、今もななのことを見守ってくれているようです。
次は、Hさんのお話です。Hさんの家は我が家の裏の方にあり、昔からの知り合いでした。
でも、普段はあまり行き来することはありませんでしたが、ななのことがあって以来
とても親しくなりました。


Hさんは言いました。
「しろは、とてもおとなしい猫だよ。わたしが猫の餌用意して、野良ちゃん達にあげて
いたわけ。すると、しろはほかの猫に負けて食べられないときがあったの。
でも、ある日、一匹で来たからこっそり餌をあげたらそれから一匹だけでくるように
なったのよ。賢い猫だよ。その先のOさんの小屋に他の野良ちゃん達と住んでいたようで、
私がOさんの家に猫たちの様子を見にいくと、しろはいつもお腹を大きくしていたっけね。
常時、五、六匹はいたかな。そのなかでもしろだけは、
眼が青くて毛が白いものだから、Oさんは『アメリカ』なんて呼んでいたよ。
Oさんはただ小屋を自由に使わせていただけで、別に餌とかあげてなかったみたい。
わたしもしろを家の中に入れようと、ダンボールを用意したりしたんだけど、
とうとう家には入らなかったねぇ。雨の日は、転がったポリバケツの中に
入っていたりしててさ。ときどき、虫とか玄関の前に置いていったりしてね、
この春なんか、産まれてすぐ死んだ子猫を置いていったよ。
しろは本当にかわいくてさ、やっと撫でさせてくれるようになったとこだったの。
地震があった年の七月にOさんの家も小屋も取り壊して引っ越しちゃったから、
猫たちはばらばらになったけど、しろが家猫になって安心した。
家でも飼いたかったけどね(笑)」

なながしろだった頃、ちょうどOさんの小屋が取り壊されたあたりに、
我が家の頻繁にくるようになったみたいです。
以前に載せた写真ですが、「ここに置いてください」と
お願いしていたのかもしれません。
この頃は何もしらずにいたのが悔やまれます。


ななは、トラがくるとこんな風におねだりのポーズをします。
「トラにごはんちょうだい」かもしれません。トラは鍵っ子なので、
タイミングが悪いと家の中に入れない時もあるようです。


そしてトラがごはんを食べていると、見守るようにそばにいるんですね。
親子なのか、ただの仲良しなのかわかりませんが、野良猫時代は
いつも一緒にいたようです。


では、ななの最近の様子から。

お隣とそのまたお隣との狭い隙間に猫たちの通り道があるようですが、たまたま
そこに入りかけたななを呼びとめたら、こんな風に出てきました。


この横顔、れいこさんちのまりんちゃんにそっくりでしょ。(笑)


ななは今年多分5歳。人間で言えば36歳くらいだとか。
なかなかの熟女っぷりでしょ。


これは、お昼ねから起きてストレッチをしているところ。
のびのびー、気持ちいいねぇ。

最近、やっと外ではなく風除室で寝るようなりました。
でもまだまだ暑いでんしょうね。

ぐっすり寝ているななをみるとちょっかい出したくなるけれど、
がまん、がまん(笑)おやすみななちゃん。


ということですっかり長くなってしまいましたが、今夜はこのへんで。
また、いつか「しろだった頃」のエピソード、お話したいと思います。
ありがとうございました。

で、今日の美味しいもの。この間のホコテンで食べた「まめぶ」。
作り方も聞いてきたから、今度挑戦してみようっと。
そういえば、今日の「あまちゃん」、ついに「3・11」になりましたね。
来週はどんな話の展開になるんだろう。。。
リアルタイムに見られないのが残念。


今日の一句。

磨きます 全身桃になれるまで   玉

晩夏光 桃の手触り 白い地図   かなえ