近代文学館川柳大会

今日は、朝から雨。雨は昨日から降っていて、
雪をどんどん溶かしています。
それでもいつの間にか止んで、今度は
道はビショビショで歩きにくいこと。
凍らなければいいと、ちょっと心配です。


さて、今日の最初の画像、日曜日の青森市新町通り
青森市近代文学館で開催された
「第10回近代文学館川柳大会」に行ってきました。
それにしてもと言うかやっぱりと言うか、すごい雪ですね。
反対側の商店街が見えません。

こちらが会場の近代文学館。県立図書館と同じ建物になります。
今までにも何度かお邪魔していますが、こんなに雪あったかなあ。

市街地の裏側の雪の様子。屋根からの雪が今にも落っこちそう。
落ちたら、雨どいが危ないですね。

こちらは、物干し場の雪。
春が待ち遠しい雪景色です。


すみません、雪のことばかりで。
早速、大会の様子をご報告いたします。


今回は選者のひとりに仙台からいらした広瀬ちえみさん、
そして、講演会の講師には、渡辺隆夫さんという
豪華な顔ぶれでした。
講演は「これからの川柳」という魅力的な演題ですが、
私も選者のため選句を終えてからでしたので、
最後の方しか聞けずにすごく残念。
その聞けた最後の方だけの覚書のメモですみませんが、
ざっと書きますね。

①新しい言葉を突破口にしてチャレンジ。

②エッセイでも何でもいいから文章を書いてトレーニング。

③技術に捉われずに新しい試みをする。

⑤笑いの句が欠落している。

⑥異種文芸の人と交流をしてください。

ホント、おおざっぱですみません。


渡辺隆夫さんは、去年の二月に「魚命魚辞」という
句集を出されました。


魚命魚辞、また勅語かと朕びびる   渡辺隆夫


時代の切り取り方にインパクトがあって、ときどきタジタジと
なります。あらゆる方面の知識も豊富で、書かれる川柳も
その知識がふんだんにちりばめられていて、私には解らないものも
あるのですが、笑いとブラックユーモアと洒落や風刺には、
目を見張らされるのです。
お会いしたのは今回が初めてで、ちょっと怖い人を想像して
いたのですが、お話してみると明るくて気さくな方で、
稚気のある大人の川柳人だなと思いました。


さて、大会のことですが、いい句がたくさん聞けて、
充実した大会でした。
「おかじょうき」のみなさんや、弘前のみなさんにも会えたし、
十数年ぶりで再会できたひともいました。
このブログを読んでいますと、お声かけていただいて、
本当にうれしかったです。
大会スタッフの皆さん、文学館の皆さん、
本当にお世話になりました。
来年は文学館の皆さんも是非川柳に挑戦してみてください。
入選句の発表誌が出ましたら、またここで紹介させていただきます。
実は、私も席題で思いがけなく特選をいただきました。
席題は「太宰治の文学碑の拓本」という印象吟。
文学館では今、「拓本でたどる青森文学の旅」という
新収蔵資料展を3月25日まで開催中で、その中の太宰治
拓本を見て作るもの。
太宰治の拓本はふたつあって一つは、
ヴェルレーヌの詩の一節「撰ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり」
と、小説「津軽」からの一節です。


やさしくしてよ冷たい肌を愛してよ   かなえ


を、その拓本からイメージして書きました。
この句を内山孤遊さんの特選に採っていただきました。
読みあげられた時、一瞬胸が詰まりました。
嬉しかったです。ここしばらく色々あって思うように川柳が
書けないでいました。でも、太宰の拓本を見たとき色々なことが
吹っ切れて、すんなりこの句ができました。
孤遊さん、本当にありがとうございました。


ちえみさんもお元気でした。相変わらずチャーミングで健気で。
そうそう、ちえみさん、仙台からパンプスでこの雪の青森まで
いらしたんですよ。いくら歩道の雪が除雪してあるにしてもですよ。
どうやら、選者として礼を失しないようにとの心遣いからだったようですが。
それにしてもですよね。もう、深く感服しました。
そのパンプスの足で仙台から持ってくださっていました。


大友逸星さん添田星人さんの遺句集です。
逸星さんは「逸」、星人さんは「天空」の
二冊一セットで千円。
私はまだ読んでいませんが、手触りだけでいい句集だと
直感しています。つっしりとした重みとしっとりした表紙に、
なんとも言えない優しさがあります。
そして、お二人の追悼句会が今度の日曜日に仙台で開催されます。
私は残念ながら参加できませんが、やっぱりいい会になることを
予感しています。ご盛会をお祈りいたします。


2012.03.11 故大友逸星・故添田星人追悼句会

【日時】2012年3月11日(日)午後0時〜4時
【場所】ホテルレオパレス仙台東口 仙台市宮城野区榴岡4−6−28 
TEL022−706−0001【会費】6,000円(当日徴収) 投句参加は500円(切手可)
【宿題・選者】『星』本村靖弘(仙台)・中西ひろ美(東京)共選/
『低い』山河舞句(仙台)・樋口由紀子(姫路)共選/
『脱ぐ』加藤久子(岩沼)・佐藤岳俊(岩手)共選
【席題・選者】『 』浮千草(塩釜)・野沢省悟(青森)共選
【その他】各種余興あり/宿題各2句は事前投句、事前選/投句時句会参加の有無を明記
【投句先】〒980-0871 仙台市青葉区八幡1−10−13−208 山河舞句 TEL・FAX 022−225−4305


こちら、大会が終わって懇親会の様子から。
青森駅の近くの「三海龍」という中華のお店でした。
ということで、今日の美味しいもの。
盛りだくさんのご馳走から代表して、以下。

エビチリ。あまり辛くなくいくらでも食べられました。

あんかけ焼きそば。あんが絶妙でした。

油淋鶏。我が家は「鳥の家」なので家で
おおっぴらに鶏肉を食べることがあまりないので、
外で食べられるのは嬉しい限り。


長々と書きましたが、お付き合いありがとうございました。
今日の句です。


番長がいちばん星を持っている   玉

Tohokuが見ていてくれる見ているよ   かなえ