四月には


今日は、相変わらずの寒い一日。
一昨日の雨で溶けかけた雪の上に、また雪がうっすら降って、
なかなか春らしい陽射しになりません。
東京は桜が咲いていると言うのに、こちらはまた雪の花が
枝を飾っています。
早く暖かくならないかなぁと真剣に願っています。
大変、ご無沙汰いたしました。
諸々の忙しさに追われて、すっかりご無沙汰して申し訳
ありませんでした。
日にち薬という言葉がありますが、お陰様で少しずつ心が
落ち着きつつあります。
以前のようになるにはまだ時間がかかるかも知れませんが、
どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。


さて、今日から四月です。
お約束の玉さんの表紙絵です。
身近かなものから題材を見つけて書く玉さんですが、
面白いものを書いたものです。
この鳥はメジロでしょうか。
トロンとした目は、まさに春眠、暁を覚えずの感じですね。
小鳥の足のかしっとした感じがなんとも言えません。
実際の週刊誌を見てみたいです。


ブログを書かなかった間にも、沢山の川柳に関係する本が
送られてきていました。
機会を見て紹介させていただきます。
送ってくださった方々にも、ここでお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
あとで、お手紙を書かせていただきますね。
で、今回はこの間の近代文学館の川柳大会の
入選句集が送られてきていましたので、そちらの上位
入選作品から紹介させていただきます。
秀句3句、特選句1句です。


「海」   斉藤綺羅 選


秀句  海だった記憶を踏んでいる踵   むさし

    あの日から毛羽立っている水平線   むさし

    黄金の轍が海へ延びている   高森ましら

特選  海って海って巨大な位牌堂である   千島鉄



「海」   岩崎雪洲 選


秀句  おんぶ紐父は太平洋になる   福井陽雪

    泣いてもいいですかなぞってなぞって波の音   真美

    回転ドアから海が始まることがある   野沢省吾

特選  海って海って巨大な位牌堂である   千島鉄



「ささやき」   渡辺敏子 選


秀句  春はあけぼの二言三言聞きもらす   吉田州花

    ささやきが標本箱に留めてある   広瀬ちえみ

    棒鱈の口から洩れる世去れ世去れ   千島鉄

特選  なにもしてやれぬがふわり抱きしめる   高瀬霜石



「ささやき」  佐藤俊一 選

秀句  ひらがなになった母との糸電話   野沢行子

    寒立馬ささやくように子を庇う   有馬洋子

    棒鱈の口から世去れ世去れ   千島鉄

特選  なにもしてやれぬがふわり抱きしめる   高瀬霜石


「窓」   笹田かなえ 選

秀句  おばあちゃんの自慢ガラス越しのキス   須藤しんのすけ

    トンネルのような窓でも開いている   岩崎眞理子

    窓のある犬小屋不眠症の犬   高田寄生木

特選  窓越しに見てる私の一大事   まきこ


「窓」   香田龍馬 選

秀句  立春や窓開け放つ胎動よ   野沢行子

    シャガールの馬がとび出す春の窓   角田古錘

    仏壇のとなりの窓はあけておく   佐藤ともこ


「うふふ」   広瀬ちえみ 選

秀句  焼き芋のかたちになっている記憶   むさし

    某月某日藻屑になってみませんか   千島鉄

    ストローをうふふと這い上がって 春   守田啓子

特選  全身に川と書かれて川になる   佐藤ともこ


「うふふ」   高森ましら 選

秀句  次世代の子に足裏を見せられる   千島鉄

    サーカスが来ている街は眠れない   笹田かなえ

    手渡しをしたい言葉を持っている   真美

特選  先端はうふふと笑って角曲がる   佐藤俊一


太宰治の文学碑の拓本」   内山孤遊 選

秀句  風だ風だ孤高の人がちぎられる   斉藤綺羅

    恥さらしだった海鳴りだった子よ   吉田州花

    誰かさんに遊んでもらう弥生三月   広瀬ちえみ

特選  やさしくしてよ冷たい肌を愛してよ   笹田かなえ


太宰治の文学碑の拓本」   まきこ 選

秀句  拓本に太宰の不整脈がある   内山孤遊 

    薄墨でつがるのいのち写しとる   岩崎雪洲

    人間失格首から凍結音がする   千島鉄

特選  道尽きるここを出発点とする   柳谷たかお



いい句が沢山聞けたいい大会だと思いました。
個人的には、佐藤ともこさん、佐藤俊一さん、佐藤ちあきさんの
川柳一家がそろって特選という快挙が、嬉しかったです。


さて、三月の思い出の画像をいくつか紹介させてください。


まず、この街の3.11の夜の様子です。
こんな風に手作りのキャンドルが、町の舗道のあちこちに
置かれていました。ここは、チーノ前。


こちらは、この間の月と金星と木星の並んだ時の
夜空の様子。月はわかりますよね。
月をはさんで上が金星、下が木星です。
もっと大きく撮れていると思ったのですが、残念。


昨日と今日は、三春屋さんで開催中の骨董展なるものに
通ってしまいました。
「まつぼっくり」さんのブログで知って、覗いてみたのが
運のつき。
もう、目も心も奪われてしまいました。
3日まで開催中とのことですので、
興味のある方は是非どうぞ。
ガラス器や火縄銃、花魁の花かんざしなどもありましたよ。

収穫、その一。
絣の羽織。未使用だったらしく、まだ仕付け糸がついていました。
早速着てみると腰の下まであって木綿だけれどあったかいの。


収穫、その二。
古伊万里の小皿。
五枚で2000円也。
この青みがかった灰色がなんとも言えなくて、ついつい買ってしまいました。
他にも絣の着物一着、そして古伊万里の小鉢も一個。
そちらはまたの機会に紹介させていただきます。
以前は、古伊万里にあまり興味なかったんだけれど、
最近、この控えめな佇まいに、どうしようもなく惹かれます。
今は、ささやかなお楽しみで満足しているけれど、
そのうちこれで済まなくなったらどうしようという、
不安もあります。そうならないためにも、川柳、頑張らないとね。
「連衆」の作品、もう少しでまとまりそう。
締め切りは過ぎたけれど、頑張ります。


今日の美味しいもの。
しめサバのタタキだそうです。
早速、古伊万里のお皿の乗っけてみました(笑)。


本当に、早く春がこないかな。


あったかい泪を残す雪だるま   玉

シャボン玉よもつひらさかうすぐもり   かなえ