秋一日

今日は、一日なんとなくはっきりしない天気でした。
曇りってほどではなく、かと言って晴れでもなく。
こういう日はたらたら寝ていたいのですが、そうもいきません。
この連休中になんとか部屋の片づけやら、夏服を仕舞わなければと、
今日もちょこちょこ、あちこち引っかき回しました。
そうそう、別口で川柳のお仕事をひとついただきました。
今回のは、楽しいです。
選句は終了。
こちらも連休中に仕上げたいと思っています。


本棚のカオスから、またまた、とても貴重な一冊を発見しました。
「一枚の会」「アトリエの会」合同川柳大会――句会報――
平成2年1月21日とあります。
森田栄一さんの「アトリエの会」、定金冬二さん「一枚の会」。
どちらも、すでにお亡くなりになっていらっしゃいます。
お二人ともに、大好きな川柳作家です。
今、その偉大なお二人や、諸大先輩のしのぎをけずった句会の様子を
記す句会報を読むことに、ある種の感慨を覚えています。
平成2年は、私がまだ川柳というものをみじんも知らなかった頃です。
どう過ごしていたのかも余り記憶にありません。
でもきっと、育児に家事に仕事にと、追われていたのでしょう。
その翌年の平成3年の秋に、私は川柳を知りました。
川柳を知らなかったその時代の空気を、こういうかたちで知る得ることが
できたのに、感謝の気持ちでいっぱいです。
この句会報は、縁あって定金冬二さんから送っていただいたものです。
その頃は、ただただ、感心して見るだけのものでしたが、こうして
時を経て見ると、すごい時代だったのだなあと、思わずにはいられません。
少しですが、それらの句を紹介させてください。


木の芽しか喰べぬけものがうずくまる   吉田 右門

咽喉もとの微熱ひしめく月見草   大西 泰世

女にあきたら月に帰ろうバイオリン   福光 二郎

花の数おとこが一人だけあまる   石部 明

春告げる花がぴしりと咲いている   伊東静夢

街は臨終鳩も鴉も地に潜る   定金 冬二


それぞれ題詠ですが、題がなくても伝わってきます。
いまさらながら、お会いできなかった方々のことが悔やまれます。
この句会報、大切に読んでいきます。
   

お忘れですか あなたが踏んだ野菊です   玉

知っている痛みだけれど踏みしだく   かなえ