夢草先生

今日は、午前中曇りと雨でさんざんでしたが
午後から晴れて過ごしやすく、ちよっと遅めに干した洗濯物が
乾いてくれました。

9月27日(日)に県の大きな川柳の大会が、青森市であります。
特徴として、全国規模で活躍している川柳作家のお一人を招いての
特別選とその方による講演があります。
特別選の句は事前投句と言って、前もって投句しておきます。
当日、その特別選に選ばれるのはとても嬉しいものです。
今年の題は「悪」選者は天根夢草先生です。
天根夢草先生は私の川柳の師です。
普段は夢草先生と呼んでいます。
19年前、時実新子先生の「有夫恋」を読んで川柳を知り、
私も川柳が書きたいと切望し、そのころ新子先生が主宰をなさっていた
「川柳展望」に電話を掛けたら、その電話に出られたのが夢草先生でした。
それがきっかけで、夢草先生の指導を受けることになりました。
大阪と青森ですから、お会いすることもなく手紙でのやりとりのみの
指導です。それも、私の書いた句にただ「○」か「△」が
ついてくるだけです。
20句近く送っても「○」のあるのはせいぜい2句か3句ぐらいだった気がします。
添削はいっさいありませんでした。
それでも、ちょっと添えられているアドバイスで沢山のことを
教えられました。
たとえば、基本中の基本である中七の大切さ、川柳も季節を大切にすること、
安易に他のひとの言葉や、流行り言葉を使わないこと、等々。
今、私が誰に対しても川柳のことを自信を持って話せるようになったのは、
夢草先生のおかげだと、心から感謝してやみません。
それなのに不肖の弟子は、先生になんの恩返しもできていません。
7年前に先生の還暦のお祝いが大阪でありましたが、どうにも都合がつかず
欠席してしまいました。
そのときの様子を小冊子にまとめられたのが、あとから送られてきました。
内容は出席した方々の、お祝いの言葉と句会の様子などが載っていました。
そのなかでに私の川柳のともだちのなかはられいこさんが、夢草先生の句を
見事に捌いている「おはなし」があります。
先生の句をその内容別に分けてみせたのです。
一部だけ、紹介させてください。


1.発見(観察力)  たばこやのおばさん抱いてほしかろう

2.生死観(洞察力)  うっかりといのちがふたつあり真昼

3.悪意(批評性)  マンホール人がいるのでふたをする

4.詩(飛躍)  歯を抜くとその都度見える向こう岸

5.提示(読者まかせ)  花びらをいっぱいためた河馬の口

そして、川柳展望104号から108号からということで

1.わからなそうでわかる作品(観察・飛躍)

 浅くない眠り腐ってゆくバナナ

2.批評の色が濃くある作品(穿ち・悪意)

 裏切った男のもがく浅い穴

3.わかりそうでわからない作品(読者まかせ?)

 かなしげに必死にしゃべる玄米茶


と言う感じです。とっても面白いと思いました。
なかはられいこさんは川柳界では、論客として
知られています。


蝉死んで蝉の時間の中にいる   れいこ

掲出句は、2005年「川柳展望全国大会」の自由吟のれいこさんの句です。


9/27、大会に行って先生にご無沙汰をお詫びしてきます。(笑)



まんじゅしゃげいまきた道を帰りゃんせ   玉

とおりゃんせバラのアーチのある廃墟   かなえ