読書の秋

今日は、雨、曇り、ちょっと晴れたり、
小雨という感じで、またまた目いっぱい秋のそら。
昨日は秋のお彼岸の入り。
彼岸団子を供えて、今日はそのお下がりを食べて。
うーん、これがあと2回あるんですよね。
仏様にお供えするお団子は5個。
今日は、職場のひとにも強制的に手伝ってもらいましたが、
次も引き受けてもらえるんだろうか。。。
是非、また、お願いしたいものです。


さて、秋と言えば「読書の秋」もありますね。
体調を崩すあたりから、せっせと本を読んで
いました。

「耳袋秘帖 妖談しにん橋」   風野真知雄
「よわむし同心信長 春の夢」   早見 俊
みをつくし料理帖 今朝の春」   高田 郁
「包丁人侍事件帖 月夜の料理番」  小早川 涼
「狸穴あいあい坂」   諸田玲子


とまあ、いつものラインナップです。
夜更かししながら、たっぷりと堪能しました。


今日の画像は、この街にある三浦哲郎さんの文学碑です。
碑には
『私は机に向かうとき一尾の鮎を念頭に
置いている。できれば鮎のような姿の作品
が書きたい。無駄な装飾のない、簡潔な
すっきりとした作品。
              三浦哲郎
平成9年に設置されました。
近くには、市役所、公会堂、神社、公園もあります。
かつて、このあたりに三浦哲郎さんが通っていた、
小学校もありました。
三浦さんの生家にも近く、遊び場所にもなっていたのでは
ないでしょうか。


こちらは、三浦さんの作家生活50年を記念して、
地元の新聞社が出版した本「三浦哲郎の世界」と、
最後の著書「おふくろの夜回り」。
「おふくろの夜回り」を読んだら、もっと読みたくなって
忍ぶ川」「みちづれ」「ふなうた」「わくらば」を購入。
貪るように読んでしまいました。
でも、ただ読んだだけです。
本当は、もっと時間をかけてじっくりと読みこむことが出来れば
いいのでしょうが、読みながら、その内容の深さに
何度か本を閉じたことを、正直に白状します。
でも、このように読むことができただけでも良かったと
思っています。


もう一冊、読んでときどきその内容を思い出す本があります。
第143回直木賞受賞の中島京子作「小さいおうち」。
戦前の日本の中産階級の女中を主人公にしての内容は、
私が今まで戦前の日本に抱いていたイメージを覆すものでした。
暗く重く沈んだ時代だとばかり思っていたのが、
想像だにしなかった明るい世界に描かれていて、
なんだかショックでした。
こう書かれることに疑問を持つひともいるかもしれません。
でも、あながち絵空事ばかりではないとも思わされる筆致に、
惹きつけられ、ぐいぐい読み進んだものでした。
そして、ふと、これは現代にもあてはまるのではないかと
言う思いに囚われました。
戦争を正しく知らされていなかった時代と、
今の、ある意味情報を操作されている時代と
そう違わないのではないか。そして、私達の知らないところで
何かとてつもないことが始まろうとしているではないかと。
杞憂に違いないと言い聞かせながらも、昨今のニュースを
見たり聞いたりするたびに、この小説を思い出すのです。


排水口にマスコミの首つまってる  玉

シャッターが突然下りていた書店   かなえ