まったりと、時代小説


今日は、灰色がかった空にちらりほらりと
雪が降ったりしましたが、さほど崩れることもなく、
むしろ昨日の冷え込みよりは、楽だったくらいです。

この街でも今日成人式が行われたのですが、街中に出ることもなく、
一日中家の中で、のんびりして過ごしました。
久しぶりに、時代小説三昧です。
風野真知雄の「耳袋秘帖シリーズ」「妖談さかさ仏」、
藤井邦夫の新しく始まった「養生所見廻り同心神代新吾事件覚」
「指切り」の二冊が昨夜から今日のお楽しみでした。
風野真知雄は大好きな作家で、この間は、「妻はくノ一シリーズ」の
「国境は南」という本を読んだばかり。
こちらはいよいよ大詰めというところでしょうか。
この本に出てくる松浦静山という殿様も実在の人物だし、
「耳袋秘帖」の根岸肥前守もやはり実在の人物。
読み続けているうちに、すっかり友達気分です(笑)
そうそう、実在の人物登場と言えば、紋ちらしのお玉シリーズも
すごいです。柳橋芸者のお玉が主人公なのですが、
彼女は高野長英の遺児という設定です。
そして、ひそかに肌を交わした男の家紋の刺青を彫っているのです。
坂本竜馬山内容堂松平春嶽、沢村田之助などなど、
幕末の歴史上の人物の名前がぞろぞろ出てくるので、
とても勉強になります。お玉は、忘れられないそんな男達の
思い出を千個集める「千人信心」の願をかけているというのです。
なんというか、いままでにないタイプの小説。
作者は江戸風俗の研究者でもある、河治和香です。
今は、シリーズ二作目ですが、これからどうなるか
ちょっと注目の作品です。


このごろの時代小説に、食べ物を扱ったのがとても多くなった気がします。
ざっと思い浮かぶだけでも、高田郁の「みをつくし料理帖」シリーズ、
和田はつ子の「料理人季蔵捕物控」シリーズ、和田はつ子には、
ほかにも「お医者同心中原竜之介」シリーズがあって、こちらは、
ハーブの効用があれこれ書かれています。
小早川涼の「包丁人侍事件帖」の将軍の料理人という設定も意外性があるし、
千野隆司の「蕎麦売り平次郎人情帖」は、元同心が屋台の蕎麦売りを
しているというのも、なかなか読みごたえがありました。
そばつゆが美味しそうなの。採算度外視の鰹節や調味料を使っている
屋台のお蕎麦なんですもん、これを読んだときに無性にお蕎麦が
食べたくなって困りました(笑)。
「旗本伝八郎飄々日記」の「冬のよもぎ」には、薬膳料理が出てきます。
そして、今、一番次の本が読みたいのが、倉阪鬼一郎
「小料理のどか屋」のシリーズものです。この間「人生の一椀」という
一作目が出たのですが、訳あって脱藩した武士が、刀を包丁に持ち替えて
料理人として生きていく物語なのですが、作者は俳句も書く人なので、
一味違う内容になっています。
このシリーズの前に「火盗改香坂主悦」のシリーズものがあって、
その文章にところどころに、「淑気」などといった俳句の季語が
用いられているのが、魅力的でした。「小料理のどか屋」にも、
その特徴が存分に発揮されています。
季語が日常的に使われている雰囲気が、なんとも粋。


画像は、昨日の寒雀。
我が家の庭先をいつもこんな風に覗き込んでいます。
娘が、インコたちの餌の残りを毎日のように撒いているので、
時間になると、あとこちから集まってくるのです。
あれー、よーく見ると雀じゃない小鳥もいる。
嬉しいな。

こちらもやはり昨日の朝の屋根の雪。
降りたての雪が眩しかったので。


七草がゆの七草。デパートの食品売り場から買ってきました。
いまさらですが、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ
すずな、すずしろが春の七草。すずなはカブ、すずしろは大根です。


11日が鏡開きなので、小豆を煮て味見をしました。
ぜんざいにしたのですが、あく取りをていねいにしなかったので、
色合いがあまりよくありません。でも、味はまあまあ。
体重増加の日々が続きます(笑)。


いよいよNHKで、大河ドラマ「江」が始まりました。
きらびやかな女優陣と芸達者な男優陣にちょっと圧倒された
初日でした。番宣で上野樹理がのだめっぽいところを
見せているのが、笑えたりしたのですが、この一年、どんな
風に変わっていくのか、とても楽しみです。
徳川秀忠向井理さんというのも、眼福、眼福(笑)。



巣の中の笑顔たやさぬホトトギス   玉

チーママの今夜も負けず嫌いな目   かなえ