「武相荘」のこと


今日は、朝から雨。
夕方には止んだけど、暗くなったらまた降りだしました。
風がない分楽だったけど、お天気のいい日って
続かないものですね。
不順な天候に体調を崩されませんよう、皆さまも
くれぐれもお気をつけください。


武相荘」行きのきっかけは、9月のある日の
忍ちゃんからの電話でした。
「今度の連休に、ヤマガのところにみんなで集まるから、
シバもよかったら来ない?」
ヤマガは、今、町田に住んでいます。
「行く、行く。じゃ、町田だったら『武相荘』にも行かない?」
「あ、いいね。赤チャンも私も行きたかったの」と、
話が進んだのでした。
当日はあいにくの雨でしたが、そのおかげかどうか、
見物のひとで混み合うこともなくゆっくり見ることが
出来たのではないかと思っています。


最初の画像は、棟にある「寿」の字です。
反対側には、「水」の字があるそうです。
雨に打たれているのも一興ではありませんか。

こちらはお庭の入り口。
鈴鹿峠」とありました。
石畳がずっと敷き詰められていて、ちょっと用心しながら
ゆっくり進みました。

向こうに二羽、鶴らしき置物が見えます。
道端には、他にシーサーの置物もあったんです。
童話に出てくるような真っ赤な毒キノコも生えていました。
そんなこんなの発見が、とても楽しい散歩道でした。

こちらは、建物の中をひとわたり廻って外に出る出口です。
中は、撮影禁止。
それでいいのだと思います。
おかげで、しっかり目に焼き付けてきました。
白洲正子さんの審美眼で選び抜かれた、食器、什器、着物、帯、
簪やアクセサリーなどが、しっとりと静かに在りました。
書斎の本棚の本、掘りごたつ式の机、白洲次郎さんの手作りの家具。
床はタイル張りで、絨毯が敷かれています。


こちらは、題第2ギャラリーの階段。
階段の上に見える写真は、白洲次郎さんです。
すごく素敵ですよ。

第2ギャラリーの階段下にある農機具。
実際に使用なさったものだそうです。

この金魚は、見たことの赤い色をしていました。
今、脈絡もなく思い出しては、心がしみじみとしたものに
満たされています。
みんな初めてみるものなのに、どこか懐かしいのです。


私が白洲正子さんを知ったのは、岡部伊都子さんの
本からだったと思います。稀代の目利き、日本の古典に
精通していて、仏閣、古仏を求めて旅を続け、その目で
しっかり捉えようとし続けてきた方です。
何の知識も教養もない私ですが、何故かその生き方とか
物事に対する姿勢に、秘かに惹かれ続けてきました。
武相荘」がオープンになったのは、2001年だそうです。
そのころだったかに、なんかの雑誌でその記事を読んで
いつか行きたいと憧れていました。
でも、東北の片田舎からそう簡単に行けるはずもなく、
憧れのままでした。
それが今回、こんな最高なかたちで叶うことになるなんて、
夢みたいでした。
これも東京にいるみんなのおかげです。
本当にありがとう。楽しかったね。


武相荘」は、四季折々に違う貌があるようです。
    ↓
http://www.buaiso.com/


今回は、何の下調べもしないで行きましたが、
今度はちゃんと調べて、また、行きたいと思っています。



あこがれた手紙は出せぬまま濡れる   玉

とんと壁たたいて来たわ「武相荘」   かなえ