弘前へ

さて、昨日から今日にかけて、
弘前市に行ってきました。
弘前川柳社と言うところの
「新春川柳大会」があって選者をすることになっていたからです。
雪の季節にさらなる雪のある街へ
行くのは、ちょっと覚悟のいることです。
去年は雪が少なくてよかったのですが、
今年は雪の多さを聞いていたので、
しっかり、防寒対策をして行きました。
電車はもちろん寒くありませんでした。
問題は、昨日の天候にありました。
電車に乗っている間中、吹雪で止まるかと思ったほどの
荒天でした。
実際五能線は運休になりましたし、
そのほかにも、車内アナウンスで危なさそうな、不安になるようなこと
言っていましたが、ただただ窓の外ばかり見ていました。
窓の外はもうもうと雪が吹き荒れて、まるで白い壁。
そんな真っ白な壁の中をそれでもぐいぐい突き進む電車は、
けなげで頼もしくて、なんか涙が出そうでした。
でも、正直、命の危険みたいのもちらっとよぎったのも事実です。
それはずっと前飛行機で名古屋に行く時に、
飛行機が、雷雲の中を通過したときの心地と似ていました。
あれも、怖かったです。
機内にバリバリッ、バリバリッ、と言う音が轟き渡って、
思わず、神様に祈りましたね。
とまあ、あれこれあっての人生です(笑)


弘前は大好きな街です。
人も街もどこか暖かみがあって行けば行くほど好きになります。
今回の楽しみは、大会もそうでしたが、
昨日一泊の予定でしたので、地元の方のご好意で、
夕食後に夜の町に繰り出すというプランがあったのです。
と言ってもあちこちに行ったわけでなく、
秋田 漣さんと言う、地元のシャンソン歌手の開いている
お店に連れていってもらいました。
秋田 漣さん、「感動」の唄声でした。
私は音楽方面にまるで疎くて秋田 漣さんのこと、
存じあげなかったのですが、
ほんと、すごい歌手です。
ボリュームがあって、伸びがあって、
突き抜けるような高音に、体をずんと揺さぶられました。
この衝撃は、竹内獅士丸さんの三味線に出会ったとき以来のものでした。
秋田 漣さんのことは、また日をあらためて書きます。
一度に書くのもったいないのです。

今回エスコートしてくださった、
弘前川柳社の松山芳生さん、濱山哲也さん、
ほんとうにありがとうございました。
おかげさまで、とてもいいひとときを過ごすことができました。
そして、思いがけない出会いもありました。
そのことも日を改めて書かせてください。



さて、いきなりですが、今日の大会。
おみくじの教えを守らなかった私にすべての責任があります。
でも今回、それなりに句は書いていったんですよ。
ただ、参加者が141名ですから。。。
私のぼそぼそした句は、残念ながら選者さん達のお目には、
止まらなかったみたいです。
つくづく、大会句は苦手です。
それでも、一句、地位をもらいました。


席題「歌」 福士りか 選

地位 たてがみが濡れる口笛遠く聞く   かなえ


ほかに

宿題「見せかけ」 波多野五楽庵 選

五客 マスカラがにじむくらいの泣き落し   かなえ


宿題「ラッキー」 菊池 京 選

平抜 とりあえず私は死んだことがない   かなえ


ちなみに福士りかさんは短歌の方です。



冬の蚊は冬の絵を抜け透明へ   玉

刃物屋の前の静けさ雪が止む   かなえ