「薄氷」

今日も春らしい陽気でした。
朝なんか、カッと照りつける感じの日差しで。
風が強く吹くときもあり、すごい勢いで雪が溶けていきます。
その溶けた雪の下から、水仙の芽がぴょこぴょこ出てきて、
雑草もその緑を覗かせはじめました。

木の小枝もよーく見ると、ちょこちょこ小さい芽吹きが
見えています。
嬉しいことです。
そう言えば、地震が立て続けにありました。
これも、春のお知らせでしょうか。
でも、このごろ災害が続いているので、あまり大きいのは
来てほしくないものです。


北陸の川柳のおともだちの訃報を聞きました。
先月にお亡くなりになったのだそうです。
「展望」の大会でしかお会いしたことがなかったお人ですが、
穏やかで、静かな口調でお話をされる方でした。
それもそのはず。
お仕事は住職さんでした。
太田虚舟さんとおっしゃいました。
本当に、お坊さんらしいどっしりした風貌でいらっしゃいました。


とてもいいタイミングです平手打ち   虚舟 (川柳展望 101号)


いつだったかの、展望の大会でお会いしたときに「薄氷」と言う、
富山の銘菓をいただいたことがありました。
ちょうど、春先の氷を割ったかたちで、深い白のお菓子です。
口に含めば、小さくパリンと割れてすぐにほろりと溶ける、
和三盆でできたやさしい甘さが忘れられません。
また、いつかどこかでお会いできると思って、不義理もそのままに
していたのが悔やまれます。
「薄氷」は薄く伸ばした真綿と真綿の間にはさんであって、
壊れないように、溶けないようにと言う思いやりが感じられて、
その箱も真綿もしばらく捨てずに取っておいたのでした。
「一期一会」、改めて考えています。
展望の大会のあと、ますみさんのお世話で
大阪見物したときがあったけど、
あのとき、確か虚舟さんも一緒だったはず。
道頓堀付近を歩いたり、お好み焼き食べたり、
夫婦善哉も食べたんじゃなかったかしら。
写真も一緒に撮ったのがあるから、探してみなくては。


つくしんぼみんなそろってハイチーズ   玉

ひとなみに幸せだろうよもぎ色   かなえ