句集「ゆくりなく」


今日は、連休中で一番天候が良かった気がします。
晴れて、風もそれほど強くなくて。
暖かい日差しに身も心も軽やかに過ごすことが
できたのですが、、、連休が終わりました。
連休の前半は強風で、せっかく咲いた桜が、
風にちりぢりに飛ばされ、正味、何日咲いたでしょうか。
ここ何日か、どこからともなく風に飛ばされてくる
桜のはなびらが、しろく煙って見えたのが、
なんとも哀れを誘いました。
今日は、もう、あらかた葉桜。
それもまた、潔いものかもしれませんが。


今日は、こどもの日。
小さい子どもも男の子もいない我が家では、
せめて、柏餅と菖蒲湯を楽しみます。
以前に和菓子屋さんが、
「さくら餅は柏餅が出るまでですよ」と言っていました。
柏餅は味噌餡が好きです。
はい、もちろん買ってきて食後にしっかり食べました。
菖蒲湯にも入り、お約束の体重計。
うーん、誤差ほどに増えていました。
柏餅のぶんだと思っています(笑)


画像は、多分「山桜」だと思います。
薄紅と薄紅の間の白い花弁が「孤高」と言う感じです。
連休の一日、ささやかにお花見をしてきました。
いえ、近場の桜の名所をふらついただけですが。
でも、いいお天気で気持ちよかった。。。
ソメイヨシノもしだれ桜もこの山桜もいっせいに満開。
どこをみても桜に噎せるようなひとときでした。
桜は、やっぱりハレの花ですね。
見ているだけで心弾むものがあります。
春爛漫を久しぶりに堪能しました。


「ゆくりなく」と言う川柳の句集を内田真理子さんから
送っていただきました。


クレヨンを握って迷う雨のいろ

檸檬の木見たことなくて檸檬買う

漂白剤の匂いかすかに昏れのこる

向日葵のあらかた焦げている部分

泣かないと決めてまぶたのないさかな

襟ぐりをゆるめ三月すべり台

いきさつに秋海棠を加えけり

ことづてに藤むらさきをかなしめり

最初から列はなかったことにする

サーカスの仔馬ときどき涙目に

ゆくりなく斜めの線とすれちがう

ほらここにみんな笑っていた窪み



痛みのある句が好きです。
ただし、痛みがありながら、その痛みに甘えないで、
しっかりその痛みを見据えて書かれてある句です。
でも、好きな句はそのときどきの状況によって、
変わることもあります。
送っていただいてすぐに読みました。、
読みながら、無意識にチェックした好きな句です。
これからも、句集を読ませていただきますが、
これらの句から、増えることがあっても減ることは
ないと思います。それだけ、厳選された句が並んでいます。
内田真理子さん、いい句集をありがとうございました。
改めて、お礼のお便りさせていただきます。

発行所は「あざみエージェント」。
倉本朝世さんのお仕事によるものです。



またひとり狂女を生んで桜散る   玉

桜散る闇に蠢くものたちへ   かなえ