2月のこと。

このところ寒い日が続いていましたが、やっと今日春めいた空になってほっとしました。
何だかすっきりしない空に体がついていけなくて、ちょっとうだうだしていました。
どこがどうというわけではなく、季節の変わり目の通過儀礼のような、そんな体調です。
では、2月のことを書かせていただきます。
いつも季節がずれてしまってごめんなさい。



まず、この本のご紹介。すでにあちこちのブログでも紹介されていますので、
あらためて言うのも恥ずかしいところですが。
「大人になるまでに読みたい  15歳の短歌・俳句・川柳」
すごく画期的な本だと思います。
有名な短歌や俳句と共に、川柳界では知られていたものの、
一般の人にはあまり知られていなかった川柳が紹介されているのです。
短歌選・解説は黒瀬珂瀾さん、俳句選・解説は佐藤文香さん、
そして川柳選・解説はもちろんなかはられいこさん
これは短詩形に関わる人だけでなく、日本人なら是非読んで、
日本の韻文文化の素晴らしさを再認識をしていただきたいと思います。
素敵な短歌、俳句、川柳がどのページにもあって、
読み終えたあと、豊かな気持ちになれます。
今回の「愛と恋」からそれぞれ、紹介させてください。


こひいつもその日のことの燕かな   堀下 翔


お別れに光の缶詰を開ける   松岡 瑞枝


乳ふさをろくでなしにもふふませて桜終はらす雨を見てゐる   辰巳 泰子


以下続刊として「生と夢」「なやみと力」が出ます。
発行はゆまに書房さんです。
ちなみに私の句も掲載予定です。



句集のご紹介をいたします。
去年、ねじまき句会へ行く時にお邪魔した静岡で、
大変お世話になった米山明日歌さんの句集「前へ」です。
この句集は、明日歌さんが第12回川柳マガジン文学賞大賞を受賞されて、
その受賞のご褒美に出版されたものです。
明日歌さんは、本当に熱心に川柳を書かれておられ、
その姿勢には、まったく頭が下がります。
いただいた句集の中から、好きな句を書かせてくださいね。


地図でいう四国あたりが私です

脱ぐことを考えて着た勝負服

勝ちそうな時は私も鞭いれる

抜いてあげるまで喋り続ける棘

どんぶりのもようのトリが消えたころ

むかしならたぶんここらで髪を切る

毛糸玉買いに行くのも一つの明日

まだ飴を探しています粉の中

裾をもつ役目で今日もさそわれる

罰として「ど」の音だけを聞かされる

竹串がスッと通れば春ですね


日常のふっとした時に浮かぶもう一つの世界みたいなものや、
女性の本音がさりげなく描かれていて、面白かったです。
迫力がありハッとさせられる句、やられたと思う句に誘われて、
一気に読んでしまいました。
明日歌さん、本当におめでとうございます。
そして、ありがとうございました。
また、お会いできる日を楽しみにしています。


さて、2月の私、実は遊び呆けてもいました。
お芝居やダンスの舞台やらを立て続けに観ました。
そのお芝居のひとつが平幹二朗の「王女 メディア」。
これはもう圧巻でした。平幹二朗は82歳におなりとかですが、
その年齢をまったく感じさせなかった、というのは決して褒め言葉では
ありませんね。役者にとって実年齢は関係ないんですよね。
私が感動したのは、セリフがきちんと観客に届いていたことです。
あたりまえのことかもしれませんが、でもそのセリフの言葉が詩的で普通の話し言葉ではなかったのです。
どちらかと言えば歌舞伎のセリフみたいで、漢字に変換したら難しい言葉ばかりでした。
でもね、それが解るのです。言語の肉体化とでも言ったらいいのでしょうか。
言葉以上ににじみ出るものがあって、息をのみながら舞台に見入ってしまいました。
それには、ギリシア悲劇の固有名詞を一般名詞に置き換えて台本原稿を書かれた
高橋睦朗の言葉の力がものすごく大きいと思いました。
本当は台詞の朗々とした大劇場のお芝居はあんまり好きではない私ですが、
この舞台だけは、本当に観てよかったです。
そうそう、カーテンコールの平幹二朗、花束ではなく多分ワインをもらったのでは
ないかと思いますが、その時の笑顔がとってもチャーミングでした。
Aさん、ありがとうございました。



2月の八戸と言えば「えんぶり」です。
夜のかがり火えんぶり、やっぱりいいですね。

大黒舞いの女の子の輝くような笑顔に、春がぐんと近くなったような気がしました。

今年は、琴と尺八と「語り」のコラボレーションにも行ってきました。
「語り」をする方とご縁ができてお誘いを受けたのです。
朗読とはちょっと違うイントネーションが新鮮でした。
機会があったらまた行きたいものです。



2月25日はカモミール句会でした。
その時の様子はまだちょっとまとまっていないので日を改めて書きますね。


2月28日は青森県近代文学館で、川柳大会がありました。
カモミールのメンバーの横澤あや子さんが宿題の選者でしたので、
メンバーの弘美さん、啓子さんと一緒に参加しました。
大会は90人を超す参加者で会場は熱気に満ちていました。
私は思いがけずに席題選者を仰せつかりちょっとあせりました。
席題は、文学館で開催されている青森県では有名な教育者で児童文学者の
鈴木喜代春さんという方の企画展があり、そこで展示されている肉筆の書

「大きな花も美しい 小さな花も美しい」

を見ての印象吟だったのです。
私は恥ずかしながら鈴木喜代春さんを存じ上げなくて、企画展を大雑把に見て
その業績を辿るしかありませんでした。
選は、もしかしたら鈴木喜代春さんをご存じの方には納得のいかないものが
あったかもしれませんが、私なりの解釈でさせていただきました。
すごく集中して、とても時間がかかり、でもいい経験と勉強をさせていただきました。
その日は仙台から須田隆行さんもご参加なさっていました。
須田さんは杜人の方です。野沢省悟さんのお知り合いですが、このブログにも何度かコメントを
入れてくださっています。初対面でしたがお話できて嬉しかったです。
その時の様子は須田さんのブログ「凡蔵的日乗 川柳の向こう側」にも書かれています。

http://blog.livedoor.jp/bonnkurax/archives/4199944.html

須田さん、色々お世話になりありがとございました。
諸々の事に関しましては後日、また書かせていただきます。

大事なおしらせ。
加藤鰹さんの追悼句会がネットであります。

ネットはこちら。今日が締め切りですがまだ間に合います。

http://odangoisi.web.fc2.com/katsuokukai/katuokukai.html




ネコに行きます。
今日はボーイズ+1+2です。
で、その+2ですが、ごんちゃんがとうとう来なくなりました。
多分、ごまちゃんとの縄張り争いに負けたのでしょう。
かわいそうですがしょうがありません。おそらく裏のネコ好きHさんに
ご飯はもらっていると思われます。ななが大変お世話になった方です。
でも、また来てほしいのでごん用のご飯入れは取ってあります。
その代わりに、以前来ていたしるこちゃんが居るようになりました。
しるこちゃんとごまちゃんはTさんのところの外ネコでした。
だから二人はこんなに仲良しです。
しるこちゃんは毛が抜け落ちてボロボロですが、
ごまちゃんがとてもよく面倒を見ているのです。

こんな風に寄り添って日向ぼっこしているのをみると
いじらしくて胸がいっぱいになります。
ななとトラが居たころを思い出します。
本当にけなげで愛おしいです。

で、+1のさばみちゃん。
まだおこもり中。すごい目力でしょ。
こんな感じですが、この頃は私の姿を見ても前ほど逃げなくなりました。
そろそろ獣医さんのところに連れていくつもりです。

最近、プリンタの上に乗ることを覚えたじろ。
実はここからさばみちゃんを見ているようです。
いかにも嬉しそうでしょ。
6キロ越えの体重ですよ。じろの可愛い顔は嬉しいけれど、
ちょっとハラハラしています。

なーこもプリンタの上が好きです。
なーこはかろうじて5キロ台をキープしていますが、
ジャンプ力がすごいものだから遠くから飛んでくるのです。
あんた達、プリンタ壊したら、おやつのちゅーると缶詰は当分無しにするからね。

ぱんだもプリンタが大好きですが、そこが満員の時はこんな風に日当たりのいいところを見つけて
ちゃっかり日向ぼっこしています。
幸せそうなネコ達にこっちもいっぱい幸せもらっています。
みんな、いつもありがとう。


今日の美味しいもの。
文学館の川柳大会のあとの懇親会で食べたしめサバのお寿司。
酸味があまりないのに生臭くなくて、しめサバが大好きな私、
一人でパクパク食べてしまいました。


実は私、今さらですが池波正太郎にはまっています。
梅安シリーズと剣客シリーズ、他に短編集やらを貰いまして、
毎日よみふけっています。多分、40冊近く読んだでしょう。
せっかく300冊の文庫本を片付けたのにまた増やしてしまいました。(笑)


ということで、きょうの一句。
玉さんは句会の「ボーナス」で。
わたしは川柳大会の「旅」での入選句から。


春というボーナスだけを待っている   玉

起こしてね月の砂漠を行く時は   かなえ