お座敷えんぶり


今日は、日中穏やかな日差しで、いつものように
のんびりした過ごすことができました。
そして、夕方からちょっと外出。
職場の人に誘われて市内某所にて「お座敷えんぶり」という
ものを初めて経験してきました。
最初の画像がその市内某所にあったえんぶりの烏帽子。
これは、多分、動きの激しいどうさいえんぶりのものだと
思います。もしかしたら、特別誂えかもしれません。
前についているマエガミと呼ばれる房は、普通は五色なんですが、
それがちょっと違いますから。
とまあ、前置きはさておき、えんぶりの舞いの画像の紹介です。


まず、摺りはじめ。こちらの三人は太夫と呼ばれていて、
頭にかぶっているのが烏帽子。馬の頭をかたどったものです。
着ている黒い衣装は、「ブッチャキ羽織」。

こども達による「松の舞」。
「ま〜つの舞いやみっさいや、みっさいや♪」の掛け声が元気です。

女の子たちの「大黒舞」。華やかに小槌を振って踊ります。

こちらは、「よろこび舞」。真ん中の女の子の笑顔に引き込まれて
しまいました。

「田植え舞」というのだそうです。初めて見ました。

さて、こちらの足元にご注目。
靴のようなものは、「爪子(つまご)」、ふくらはぎに巻いているのは、
「ガマハバキ」。ちなみに、えんぶりが終わってする打ち上げのことを、
「ハバキ脱ぎ」と言います。
手前に置いてあるのが「ジャンギ」。太夫が持って舞うものです。

「やなぎすだれ」と言っていました。海苔巻を作るときの巻きすようなものを
持って、口上を言いながら、そのすだれを、いろんな形に変えていきます。
観客からは、歓声が上がっていました。

こちらは、とても人気がある「えびす舞」。つり竿を持ったえびす様が
鯛を釣る舞いなのですが、祝いことばを言いながら竿を振り鯛を釣ろうと
するのですが、なかなか釣れません。その所作が滑稽で、観客の
笑いを誘うのです。これは、ちょうど鯛の釣れたときです。
拍手喝さいで、めでたしめでたし。

最後の「摺り納め」。
これぞ「どうさいえんぶり」という激しい動きが続きます。

そして、静かに納めます。この厳粛さが好きです。


「お座敷えんぶり」と言うのが正式名称かはわかりませんが、
昔、庄屋様や裕福な家に呼ばれて、えんぶり舞いをしたということは
聞いたことがあります。
えんぶりは800年の伝統のある国指定重要無形民俗文化財にも
なっている豊年祈願祭でもあります。
参加している子どもたちは、それを知ってか知らずかわかりませんが、
みんな楽しそうに舞っているのが印象的でした。
この子たちがえんぶりを確かに受け継いでいくのだと思うと、
とても頼もしくまた嬉しくもありました。


さて、今回の場所は料亭ですから、お料理ももちろん出ました。
献立は郷土料理が主でした。
引き昆布、くじら汁、イカ刺し、オイラン鰈の焼き物、
棒鱈と寒大根の煮つけ、紅白なます、もち粥、お新香、
御汁粉、甘酒、果物。


そのうちのくじら汁です。真ん中の、黒い筋のある細い白いものが、
くじらの肉です。具はほかに人参、ごぼう、じゃがいもなどで、
ほぼ、豚汁と同じです。
「お座敷えんぶり」は6時30分から8時30分までで、
飲食つき、料金は5000円でした。
来年、もし参加希望の方がいらっしゃいましたら、受付いたします。



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