「おかじょうき」6月号



今日は、とっても肌寒い一日でした。
昨日までの暑さなんてきれいさっぱりどこかに
いっちゃって、半袖でいたら風邪ひきそうでした。
それなのに埼玉の熊谷市は40℃近い暑さだったとか。
こちらの涼しさ送ってさしあげたい!
暑いところはとことん暑く、寒いところはあきれるくらい
寒いこの季節、どうにかならないものかと切ない思いを
しています。

昨日の朝、また大きい余震がありました。
体感的には震度5と震度4の中間ぐらいだったかな。
停電にはならなかったし、物もほとんど落ちませんでした。
もう、これで大きいのは終わりにして欲しいものです。
でも今回の大地震は常とは違うので、用心は怠れません。
出来ることはさっさと片付けて、体力を蓄えておきましょう。


今日の画像は、この間の夏至の空。
うっすら見える太陽らしきものは「幻日」です。
帰りのバスの窓からだったので、きちん写せませんでしたが、
向かって右側に太陽があって、その隣にこんな風に見えていました。
初めて見ました。
このあいだは「日暈」を見て今回は「幻日」を見ることができて、
嬉しいな。違う場所だと、もっとはっきり見えていたらしいのですが、
私も正直、半信半疑だったものですから、あまりうまく撮れなくて
悔しい思いをしています。この街では、何日か前にも見えたそうです。
また機会があったら、頑張ってもっとはっきりした写真を撮りたいものです。


「おかじょうき」の6月号「無人駅」からまた好きな句を
書かせてください。


節電のビンボーくさい店になる   吉田州花

青虫を青くするのが仕事です   安藤なみ

閂を突き抜けていく黄金色   岩根彰子

仏壇の裏をしばらく見ていない   角田古錐

実のなる木植えて津波を忘れない   熊谷冬鼓

叶ったら蛇にされてもかまわない   斎藤泰子

くるりんぱ地球儀廻る音がした   坂本勝子

原爆と違う確かに違う・・けど   滋野さち

私ではどうにもならぬ交差点   城後朱美

会うことに勝てない百本のメール   杉山太郎

ずる休み増えてく梅雨の入り口   土田雅子

本日も馬鹿めバカめと陽が沈む   奈良一艘

ティッシュペーパーの行く末風の便りかな   鳴海賢治

頑なに柔軟剤に浸かってる   則田 椿

こんにゃくになってしまえばよかったわ   ひとり静

陽炎や心の襞のようなもの   前輝

不時着をしたのは綻びど真ん中   まきこ

試されていると思えば出る力   三浦昌子

空っぽになった部屋には父が居る   南山藤花

耳朶を揉んですべてを受け入れる   守田啓子

信号点滅何か不満があるらしい   山田楓子

「直ちには」 死なない いずれ 死ぬ だけだ   むさし


今回の作品には、あの大震災の句や原発の句が多かったように
思われます。直截的な語句を使っていなくても、それと思わされる句が
見られ、川柳を書いている人間として心強く感じられました。
それぞれの立ち位置から書かれた素直な心情の句は、
たとえ稚拙に見えようと、胸に迫ってきます。
まだまだ復旧には程遠い現状ですが、忘れないで、負けないで、
日々を過ごして行きましょう。

こちらの画像、えんぶり人形作家の高橋寛子さんから頂いた
はまなす花菓子」です。
ラニュー糖に透けて見えるはまなすの花の色が、まだ生きています。
香りも野生の植物の青くささを漂わせて、ぎゅっと心を
鷲づかみするのです。
繊細で力強い花菓子を入れてあるガラス器は、市内の古道具屋さんで
衝動買いしてしまったもの。
震災からまもなくのこと、娘と買い物の帰りにふらっと立ち寄ったのが
運のつき。お店に入ったとたん、目に飛び込んで目から離れませんでした。
お値段は言わぬが花(笑)
私的には大層奮発しました。
でも、後悔はしていません。
夏になったら、白玉を作ってこれで食べるの。

花菓子の話に戻ります。
こんな風な箱に入って送られてきました。
一枚いちまい、丁寧に包まれて。
そして、このような言葉が添えてありました。

『霧につヽまれて咲いておりました
あの日を
耐えしのんだその枝に
しみ入るような色を咲かせて
潮騒の中に在りました

思いを込めて
ひとひらづヽのかたちを辿りました

今年も
花との出逢いを
お伝え出来るしあわせを
      感じております

御笑味下さい


六月吉日    高橋寛子』

このはまなすの花の咲く種差海岸もあの大地震
6メートルから10メートルの津浪に襲われました。
その津浪に負けずに根を張って耐えて、
今年も咲いてくれたのだそうです。
海岸には、ほかにもニッコウキスゲ
浜昼顔も咲いていると新聞で読みました。
海辺の花は海に負けません。


寛子さん、本当にほんとうにありがとうございました。

はまなす花菓子、今年は「想い出」の味がします。


こちらの画像は、デパートの催事の「京都展」で
購入の「夏うさぎ」という名前の和菓子。
求肥に包まれたチーズのクリームが、なんともあえかな
舌触りでした。



青空をそそぎ続けているポット   玉

はつなつの蔦にまみれていく旧家   かなえ