川柳ステーション2012




今日は、一日、雨。時々止んでは強く降ったりを繰り返していました。
青森県も今日は大雨警報の出た地域がありました。
みなさん、大丈夫でしょうか。
そして、九州地方の豪雨の被害はその後どうなっているのでしょう。
九州地方には、何人かの知人もいて、その中の一人に何度か
電話しているのですが、通じません。
停電だろうか、それとも避難しているのだろうかと、
心配です。
どうか、何事もありませんようにと祈っています。

さて、最初の画像はこの間の土曜日に、とある海辺のホテルから見た海です。
夏本番の真っ青な空と海。夏生まれで海の傍に古里があるわたしにとっては、
なんとも心弾む景色でした。

「おかじょうき」7月号は「川柳ステーション2012」の特集号。
大会に行けなかったので、とても楽しみにしていました。
一番読みたかったトークセッションの「理系川柳と文系川柳」。
大雪さんとれいこさんの丁々発止のやりとりが目に見えるようです。
それぞれのパネラーの発言で印象に残った言葉を次に要約します。

れいこさんは「理系川柳の作品は方程式のように別の言葉を
入れ替えてみたくなる。特質でありマイナス。類型句が出来やすくなる危険がある。
文系川柳は情感をゆさぶる力がある。言い換えの効かない一本の作品になっている。
ただ、文系作品は一般的にはインパクトなくて弱い作品になりやすく、地味で見逃される
傾向があると思います。」

例句には同じ作者の理系川柳と文系川柳と思われる作品をそれぞれあげて、
たとえば、石部明さんの作品で言えば

(理系)軍艦の変なところが濡れている 
(文系)夕暮れの寺院のように貼る切手


大雪さんは、右脳と左脳の違いを述べ「左脳は理性、つまり論理でものを考える。
句を作るとき、内容を考えてその内容をみんなに伝えたいということを論理的に書く。
文系川柳は論理で考えてもわからない。読む人が感じなければならない。
理系は理性に、文系は感性に訴えるもの。」

例句には、

(理系)万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た  鶴 彬
(文系)月光に丸太棒が声を出す  石部 明

などをあげられています。

瀧村小奈生さんは「私の中の理系川柳はまず形容の新しい発見があって、それに
みんなの共感を得られるものが一つの特質かなと思う。
理系川柳の例句として【留袖がタンクトップなことを言う】というタンクトップを
タンクトップを形容詞として使う斬新さに惹かれた。倉本朝世さんの句の
【悲しくてベルリンという強く言う】の悲しさとベルリンとは関連もないのに
ベルリンの繰り返しによって何かが響いてくる。理系川柳には新しい形容の
発見がある。」


ごく一部の紹介で申し訳ありませんが、機会があったら皆さんにも
読んでいただきたい濃い内容です。


さて、大会の入選句です。

席題「原子力」   浪越靖政 選

【秀逸】

尿もれと放射能漏れとの位置関係   奈良一艘
ドーナツの穴から洩れる放射線   高瀬霜石
こいびとの北半球の原子力   なかはられいこ
おほほうふふ体まるごと原子力   まみどり
セシウムの基準値で咲く花がある   三浦蒼鬼

【特選】

人間の手前で右折するアトム   田久保亜蘭


席題「原子力」   吉田州花 選

【秀逸】

原発の空は見飽きた案山子の眼   千島鉄
ほんとうの本当ですか再稼働   片倉卯月
いざガレキ吹けば飛ぶよな絆です   林 紫苑
木も石も風に吹かれて死を生きる   岩崎眞理子
セシウムの海うじゃうじゃとほたる烏賊  千島鉄

【特選】

ゴットンゴットン粉ひく小屋に戻れない  熊谷冬鼓


宿題「台」    矢本大雪 選

【秀逸】

ストレッチャーに揺られ万華鏡のなか   浪越靖政
死刑台明日はきっと晴れだろう   北野岸柳
わたくしを喰い終えたので台形に   奈良一艘
うかつにもプリンと台を間違える   濱山哲也
踏み台になってあげるわ沈むわよ   まみどり

【特選】

俎板の上でも好きと叫べます   田久保亜蘭


「伸」   菊池 京 選

【秀逸】

さようならヨーヨーの紐切れました   則田 椿
象の鼻結果ばかりを聞きにくる   熊谷冬鼓
ぎょうざの皮薄く伸ばして逝く日のこと   守田啓子
金環食老母の爪は伸びたまま   葉 閑女
寿命ばかり伸びたってなあメロンパン   相田みちる

【特選】

今はまだトンネルの中気にしない   高瀬霜石

「再」   むさし 選

【秀逸】

再稼働します人間へし折って   三浦蒼鬼
オペ終了森は再生したようだ   豊澤かな江
再 再 再 この世別れるところです   則田 椿
手をつなぐ懐かしい手だ兄の手だ   林 順子
元栓を確かめに行く列に居る  斎藤あまね

【特選】

Re:Re:Re:Re:Re:胸には刃物らしきもの  守田啓子

「特別選」自由詠   なかはられいこ 選

【秀逸】

いさかいが始まるトマトのへた辺り   土田雅子
怪しげな椅子に手招きされている   辻井洋子
箸置きが一番先に捨てられる   濱山哲也
家族みんなでディサービスを待っている   高瀬霜石
ひまわりが一本ひとになる気配   坂本勝子

【特選】

夏用の鎖骨を誂えに 海へ   菊池 京


「おかじょうき」の大会にふさわしい読み応えのある句ばかりで、
刺激を受けました。


職場のひとの結婚披露宴に出席しました。
三年ぶりかなぁ。
ここのところお葬式の方が多くて、結婚披露宴は本当に久しぶり。
海の近くのホテルは初めての会場。
皆さんにも幸せのお裾わけを!

芝生にテーブル席を設けてバーべキュー。

せんべい汁もあったし十和田バラ焼きと横手焼きそばのB級グルメ
青空の下で堪能。

そうそう流しそうめんの趣向もあったし

会場内には、かき氷のコーナーとカクテルのコーナーまでありました。

ウエディングケーキ。
ケーキ入刃のあとは、切り分けて皆に配られました。

式のクライマックスには、海側のドアから新郎新婦の登場!
青空に幸せが弾けています。
お天気で本当によかった。
どうかずっとずっと、お幸せに!

今日の美味しいもの。
披露宴のご馳走です。
海の幸盛りだくさんで、食べきれませんでした(笑)
珍しかったのは、ウエルカムドリンクならぬ、ウエルカム蜆の味噌汁。
会場に入って席に着いたら配られ驚きながらも好評でした。


今日の句。
カラスという題で。


笑ったらちっとはかわいくなれカラス   玉

幸せの群れにはいない八咫烏   かなえ