カーブ

今日は、昼ごろに時雨と言うには大分強い雨が降り、
それからはどんよりした空模様で、晩秋と初冬の
入り混じったもの淋しい一日でした。
雨が上がったのを見計らって、娘と買い物に出かけたのですが、
ついでに図書館にも寄ってきました。
今日の画像は、図書館の近くの神明宮の銀杏の敷き詰めた
境内の一隅の様子です。
銀杏の葉がこんもりふんわりと降り積もり、ベンチをやさしく
包みこんでまるでいたわっているように見えました。

滋賀県在住の川柳作家徳永政二さんの待望の第一句集が、
ついに発刊となりました。

徳永政二フォト句集1「カーブ」。

 
 悲しみはつながっているカーブする   徳永政二


写真と川柳のコラボです。
写真は藤田めぐみさんとおっしゃるまだ若い女性のプロの
カメラマンの撮影で、彼女は川柳も書かれます。

めぐみさんの写真はゆるがない。
今、何を撮ろうとしているのかをくっきりと見せてくれます。
そして、鋭い。きっぱりとその対象のいちばんいいところを
切り取っているのだと思っています。


政二さんの句は、もう言うまでもありませんね。

 
 やわらかいタオルひとりというものよ  

 光らせてみようくよくよしてみよう

 ここですかゆがんだマルのまんなかは

 つぶつぶがあってあなたはお母さん

 なにもない 葱を刻んでいるうしろ



むずかしい言葉はないのに、ハッとさせられる句ばかりです。
お芝居でいうところの「間」のようなものを感じさせられます。
最大公約数であり最小公倍数でもあるというのが、
政二さんの句に対して私が抱いている感想です。
世界をこのように把握できる政二さんの句は、
いったいどんな風にして生まれるんでしょうね。
句集は、このあと第5句集まで発行予定となっているそうです。
政二ファンのひとりとして大きな楽しみができました。
発行は倉本朝世さんの「あざみエージェント」です。

↓ 
http://azamiagent.com/


是非、沢山の方に読んで欲しいと思っています。


朝世さん、大変なお仕事ですが、どうぞ頑張ってくださいね。


今日の美味しいもの。
この街の若い女性たちに絶大な人気のお店「cafe lobo」さんの
ランチ。娘と行って食べてきました。
娘は焼きチーズカレーの温玉乗せ、私は鶏そぼろ丼。
女性ファンが多いのが頷ける味でした。
美味しいし、何より心がこもっているのが感じられました。
でも、残念ながら今月の28日で閉店なんだそうです。
3月の震災でほぼ全ての食器、機器を失い、スタッフさんも
個々に大きな被害を受けたり、あるいは環境の変化もあったりしながら、
それでもなんとか頑張って営業を続けてきたそうですが、
これ以上の営業は困難としたからとのこと。
とてもとても残念なことですが、きっとまたどこかで
再開できると思っています。


今日の句、先月あった「北日本川柳大会」での
「書く」という題での入選句から。
先日、地元の新聞に上位入選句だけの発表がありました。



愛飢男餓鬼苦毛古吐歯北斎可   玉

雨だれが崩れるときの草書体   かなえ


玉さんの句は、
「あいうえおかきくけことはほくさいか」
と読みます。
「書く」は共選で私も選者のひとりだったのですが、
この句箋を手に取った時、「絶句!」でした。
かたわらに小さく振り仮名があったからいいものの、
「どう読めっていうのよ」と腹立たしくさえありました。
選者泣かせのそして選者冥利に尽きる句だと、
心が震えたのを覚えています。
玉さんってやっぱりすごいよね。