「おかじょうき」12月号

いよいよ今年もあといち日。
今日は、風が冷たかったけど晴れたので、
窓ガラス拭きやら外回りの掃除、買い物、
お寺へお供えを持っていったりと、
あっと言う間に一日が終わりました。
画像は、おとといの「はっち」。
「あっぷるワイド」というNHK青森放送局のテレビ番組の
公開生放送の練習風景です。
年末特別番組らしいです。
たまたま通りかかって目にしたものですが、
賑やかに楽しげに声を揃えたり、手を上げたりと、
年末の寒い街を明るくしてくれていました。

外からも写して見ました。


さて、「おかじょうき」の12月号です。
11月号は紹介しそびれてすみません。
今号は誌上句会「0番線」の発表号です。
上位入選作品を書かせていただきます。


「湾」   柴崎昭雄 選

「秀逸」

湾内を一周してる家出です   渡邊こあき(青森県

わたくしの湾は男をダメにする   笹田かなえ(青森県

いさぎよく湾のすべてを見せなさい   ひとり静(奈良県

「特選」

産声が湾を大きくはみ出した   坂本勝子(青森県


「湾」  むさし 選

「秀逸」

何もかも沈めた湾となる夜明け   藤田めぐみ(東京都)

いさぎよく湾のすべてを見せなさい   ひとり静(奈良県

湾にまた何もなかったように朝   山之内さち枝(愛媛県

「特選」

産声が湾を大きくはみ出した   坂本勝子(青森県


両方の選者に特選に採られた坂本勝子さん、
おめでとうございます。
そうですね、湾をはみだすんですよね、産声は。
湾という内海が外海に向かって開いている感じは、
子宮からこの世へ生まれ出る赤ちゃんのイメージとも重なって、
躍動感あふれる句だと思いました。
明るくスケールの大きな川柳を読むと、
もうちょっと頑張れそうと思わされます。


では、無人駅からまた好きな句を書かせてください。


庇おうとするから両手反り返る   熊谷冬鼓

一面が寒いんだよね花畑   坂本勝子

おむすびを生涯つくる顔となる   櫻庭 聡

遺言状書いて地球が欠ける音   さざき蓬石

お隣の嫁を気遣う姑がいる   城後朱美

地雷踏むための足ならまだ動く   Sin

鼻歌も一緒に洗う洗濯機   杉山太郎

草虱ひとりっきりの道すがら   高橋星湖

スーパーのちらしと雨を見くらべる   中道文子

野球拳始めはグーだ濁り酒   成田 勲

お菓子の家に行きつく迄のパンの屑   則田 椿

ひそひそとセシウムを言うハコベたち   ひとは

ふの音でいっぱい夏が終わるとき   ひとり静

ギトギトのが私しょうこりもなく私   前輝

とりあえず今日の始末は終えてある   まきこ

思い出をなぞりはじめた小さな実   まみどり

そろそろと守りにはいる正露丸   三上玉夫

コロッケの貌で採用通知待つ   守田啓子

袋から私を急かす音がする  山田楓子

救急車旅の途中の樹が揺れる   悠 とし子

行列のしっぽについてはいるのだが   吉田州花

生い立ちの春の辺りが暴れ出す   安藤なみ

祈り終えたか十月のカネタタキ   角田古錘

また間違えてしまうしまう手のつなぎかた   きさらぎ彼句吾

りんご追分*原田芳雄の背の角度   むさし


「救急車」の句の危機感と不安感が滲んでいる雰囲気に、
心と目を奪われました。体がぐらりと揺れるような
怖さも覚えて、ふっと目を閉じたくなりました。
こういう体感に訴えてくる句を私も書きたいです。


明日で消えるイルミネーションです。


今日の美味しい物。
石窯焼きピザの「シエールコッコ」さんの
黒豆パンと焼きみかん
「シエールコッコ」さんは移動販売車に石窯を積んで、
移動先で薪を燃やしてピザを焼いています。
最近、パンと石焼き芋と焼きミカンがあるというのを聞いて、
食べたいなあと思っていたところ、水曜日のチーノ前で
遭遇しました。
お芋はどうしたって?帰ってすぐ熱いうちに食べてしまって、
撮影できませんでした(笑)
紅あずまだったかな。甘みがぎゅっと凝縮されていて、
すごく美味しかったです。
パンはピザ生地で焼いてあるということで、みっしりした
重量感のあるパンでした。
数量限定で、すぐ売れ切れるのだそうで
手に入れられたのは、ラッキーでした。


今年最後の句。


ダンボールさよならばかりさようなら   玉

豊葦原の、瑞穂の国の、シーベルト   かなえ



今年も大変お世話になり、ありがとうございました。
どうぞ、よいお年をお迎えください。