水脈 35号

12月ですね。風がいちだんと冷たくなりました。
そろそろダウンコートにしようかなと考えているところです。
最初の画像は神明宮の銀杏の樹。すっかり葉が落ちてしまって、
さむざむとした空が透けています。夕方にはまだで、でも昼下がりには遅い
時間の、まったりした光が愛おし気に梢に差しています。
昨日締め切りだった連衆の作品と、前号から書かせていただいている、
「コーヒーブレイク」というコーナーのエッセイを今日メール送信できました。
ほっと一安心。今回はななが家に来てからの変化について書きました。
ネコ嫌いなひとには申し訳なかったかな。
さて、北海道の浪越靖政さんから「水脈 35号」をいただきました。
今回はちえみさんの鑑賞や吉田健治さん、久美子さんをお迎えしての
合評会のレポートなど、盛りだくさんの内容で読みごたえがありました。
そのなかで、松原ゆきえさんの「違星北斗の苦悩と心の叫び」という
文章に、つよくこころをうたれました。
違星北斗というひとは、アイヌ人で27歳で肺結核のために昭和4年に亡くなられて
います。短歌を書いていたそうです。松原さんは以前に短歌をなさっていた時期が
ありその時に違星北斗を知り、時を経て今年、不意に彼を思い出し札幌の本屋さんで、
「遺稿・コタン」に出会ったそうです。
アイヌの解放を訴え続けた生涯は、紹介された短歌に垣間見ることができました。
松原さんの抽出された作品のなかから、私も三首ほどここに書かせていただきます。


 世の中に薬は多くあるものをなどガッチャキの薬売るらん

    (ガッチャキは痔のことです)


 「強いもの!」それはアイヌの名であった昔に恥じよ 覚めよウタリー


 芸術の誇りも持たず宗教の厳粛もないアイヌの見せ物


先日の「はっち市」の「アイヌの手仕事展」で見た、
衣装や道具などがまざまざと思い起こされました。

「マキリ」と呼ばれる小刀のようなもの。「マキリ」という言葉はこの辺でも
使われることがあります。

「切り伏せ」というアップリケのような手法が施された衣装。
ところどころ繕ったようなあとが見えて、大切に扱われた様子が
窺えます。
アイヌ人」とアイヌのひとを呼ぶことに、今とてもためらいが生まれています。
北海道を舞台の時代小説を読むことがありますが、その時も内地の人間が
アイヌのひとから騙すようにして、豊富な北海道の資源を搾取していた事実を
知ったときも、いたたまれない気持ちになったのですが、
今回、違星北斗の短歌を読んで、その気持ちがいっそう強くなりました。
もう少し、アイヌのひとたちの事を勉強しようと思いました。



さて、ななちゃん。
まだ、ななは風除室で寝てます。最近ではこれを「修行」と呼ぶことにして、
あまり心配しないことにしました。
寒くなったら中に入ってくるでしょうから。

日中もこんな風にお外をみたりうとうとしたり。
ここはななの部屋なんだものね。

トラとなながキャットドア越しに話しています。
「今、ご飯もらうからもうちょっと待っててね」

縁台の上から熱心にインコちゃんの観察。
「インコちゃんいるねー」と言うと、
「にゃん、にゃん」と可愛い声で返事するんだけど、
「うん、うん」なのか、「ちょうだい」なのか(笑)

手からおやつを食べてます。
ベッドから出たくないときは、水も口元まで持っていってあげます。
はい、わたしもななのしもべです(笑)


「写真ばかり撮ってないで、遊べ」かな。
でも、このあとすぐにインコを見に縁台へ。
最近、トラが来ないので退屈そうです。

ときどき二階の私の部屋の前のベッドでも寛ぎます。
さあ、今夜もななが寝ているうちに寝ましょう。


今日の美味しいもの。
家人がお伊勢参りに行ってきて、そのお土産のひとつ。
殻の黒いゆで卵。味は普通のゆで卵と同じでしたが、珍しいということで。


玉さんの句は句会の「ぼろぼろ」いう題で。


ぼろぼろの紙幣は胸ポケットにある   玉

白湯すする空はだんだん雪催い   かなえ