号外〜ねじまき句会行ってきました!〜


怒涛の11月が終わりました。
すっかりご無沙汰でした。
そして、行ってきました。第126回「ねじまき句会」。
ずっとずっと行きたいと思っていました。
「ねじまき句会」の前身の「あるまだ句会」の時から
参加したいと思いながら、名古屋はやはり遠くて、でも、願えば叶うです。
今回、参加出来たことは本当に大きな財産になりました。
では、今回の旅のこと書かせていただきます。


旅は「おかじょうき」の守田啓子さんと一緒でした。


句会の前日の14日は、静岡の米山明日歌さんのお誘いで、
名古屋の手前で途中下車して三島に寄らせていただきました。
三島はあいにくの雨でしたが、明日歌さんはお車で私たちを迎えて
くださいました。そして向かった先は長泉町にある
クレマチスの丘コミュニケーションセンターです。
目的はここにある「ベルナール・ビュフェ美術館」。
最初の画像は、私たちを先導して美術館に向かう明日歌さん。
明日歌さんの後ろ姿、背筋ががしゃんとしていてかっこいいなぁ。
ビュフェの作品と言えばリトグラフしか知りませんでしたが、
ここには油絵が多く展示されていて、その作品群に圧倒されました。
どちらかと言えば暗い絵が多かったのですが、
雨のせいもあったのかな、しんみり心に沁みました。

美術館の後は、同じ敷地内にある「井上靖文学館」へ。
ちょうど、「〜あの夏から70年「井上靖と戦争、家族、ふるさと」展という
企画展をやっていて、自筆の日記やそのころの写真などの展示が印象的でした。
そうそう、「氷壁」にでてきたザイルのモデルが展示されていたのにも
興味を引かれした。

これ、何だと思いますか?
ひと休みに入った敷地内でのカフェで出された時は、
三人とも「うーん?」でしたが、実はおしぼりなんです。
そう言えば化粧水を沁み込ませてするパックに
こういうの使った覚えがあります。
「アイデアよねー。」も三人共通の意見でした。

三島の夜は賑やかで美味しかったです。
棋人さん、相変わらずソフトでダンディでホッとさせられました。
団石さんの川柳の対するしっかりした意見、恭子ちゃんとの
「レベルの違いではなくステージの違い」という見解について
熱く語り合ったこと。(団石さんと恭子ちゃんのご指摘にて訂正)
あれから事あるごとに思い出しては頷いています。
恭子さんが高校の数学の免許をお持ちだと聞いて、
「これからは理系川柳を書いて」とお願いしてしまいました。
川柳の仲間の川柳の話は本当に楽しい。
時間いっぱいおしゃべりを楽しんで、その夜は三島泊り。

新鮮なお刺身も美味しゅうございました。
そして、こんな機会を作ってくれて、あちこち案内くださった
明日歌さん、本当にありがとうございました。
みなさん、大変お世話になりました。
また、どこかでお会いしましょうね。


そうそう、行けなかったけれど三嶋神社の名物
「福太郎」というお団子をお土産にゲット。
あっさりした甘味でこちらも美味しゅうございました(笑)



翌朝、9時過ぎに三島を出て、いよいよ名古屋まで。
名古屋駅れいこさんと待ち合わせ。
まずは三人で昼食。

名古屋はこんなに晴れてほんと、いい天気でした。
用心してコートを着込んでいったのが恥ずかしかった。
会場に向かう時、二村鉄子さんとお会いしてご一緒に。
初対面でしたが、気さくな笑顔にホッとしました。


さあ、いよいよ会場です。
「女性情報センター」。
緊張が高まります。

当日の出席は史上最多の17名とか。

ね、びっしりでしょ。
初対面の方がほとんどでしたが、皆さん笑顔で接してくださいました。
知り合いは丸山さん、青砥たかこさん、安藤なみさん。

私も緊張したけど、啓子さんも緊張してたと思います。
れいこさんツィッターちゅう。
八上桐子さんとは、去年青森であった新思潮の会でお会いして
いました。

「腰」と「雑詠」の各一句ずつを事前投句。
そして「腰」は事前選です。雑詠は当日選。
句数は欠席者の分も入れて題詠20句、雑詠20句。
それぞれ三句ずつの厳選。
選んだ句の選んだ理由と選ばなかった句の理由も
発言しなければいけません。

結果は
  ↓
http://nezimakiku.exblog.jp/

で、どうぞ。

融けかかるバターゆっくり沈む腰 /笹田かなえ


私の句に思いがけず沢山の方が票を入れてくださってドキドキしました。
れいこさんは言いました。
「本当は採りたくなかった。えろいです。でも採らずにいられないうまさがあった」
れいこさんの指摘により、ちょっと訂正)
選んだ理由は割合言いやすいけれど、選ばなかった理由をいうのは、
私にはとっても難しかった。
作者の人格を傷つけないよう、あくまでも作品に対して言うのは
お互い解っていても、むずかしいものです。
私の句に対して選ばなかった理由に、
「『融けかかる』の漢字表記が気になった。一般的には『溶ける』を
使うのではないかと思って、その違和感からどうしても票を入れることができなかった」という
意見があり、さすがだなと思いました。


「融ける」に関しては私も悩みました。
でも、「溶ける」にして料理にしたくなかったし、ひらがなの「とける」では
ベタになりすぎると思い、敢えて「融ける」にしたのでした。
自句自解はしないのがいいのですが、もし誤字と捉えていたら、
それもまたツライところがあるので書かせていただきました。


あと、意見交換の多かった句、

腰パンがひっかかってる紀伊半島 /瀧村小奈生

日本地図を人体に見立てると「紀伊半島」はちょうど
「腰」になるという意見の人と、「紀伊半島」そのものに腰パンが
ひっかかっていると言う人と。


気がつくと腰に手をやるいわし雲 /二村鉄子

いわし雲を見る仕草に捉えた人と、いわし雲が後ろにきて、腰に手をあてていると
捉えた人がいたのが面白かったです。

印象に残った言葉。

断片的ですが、「深意味」「極読み」「単品ですか」(笑)などなど。
もっと色んなこと言ったと思うのですが、
テキパキと進んでいくので従いていくのに必死で、
メモするのをすっかり忘れてしまいました。
一時から始まった句会もあっと言う間に時間となり、懇親会へ。
「芋蔵」という薩摩料理と焼酎のお店に歩いて移動しました。

すごい焼酎の瓶でしょ。
飲み食いしながらもやっぱり句会の延長です。
私も解らなかった句に対して作者さんから直接聞くことができて、スッキリ。

さつま揚げ、美味しゅうございました。

焼酎のリストに噂の「森伊蔵」があったので、私も話のタネに一杯だけ。
はい、さらりとした飲み口で美味しゅうございました(笑)



ねじまき句会は今回で126回です。
一か月に一度あって、もう十年以上続いていることになります。
ただ、句を出して採られた採られないで終わるのでない、
きちんと一句ずつに向き合ってお互いの意見交換をする場は、
短歌、俳句にあったかもしれないけれど、
川柳では、多分ねじまきが初めてではないかと思います。
そして今、全国的にその傾向が出てきているようです。
もっとどんどん広がればいいですね。
私もまたねじまきに参加させていただきたい。
その時は、ただ感じたことをいうのでなく、もっと論理的に
言えなければいけないことを痛感しました。


さて、その夜はれいこさん名古屋市内に宿泊ということで、
ホテルのれいこさんの部屋で恒例の「女子会」。
なんと、夜中の二時まで!
それにしてもれいこさん、政治経済の話題も豊富で改めて
すごい!と実感した夜でした。

翌日は、句会に出席できなかった小奈生さんが合流してくださって
名古屋観光です。小奈生さん、日曜日は九州だったんですよ。
日曜日の夜遅くに名古屋に帰ってきてお付き合いくださいました。

この電車に乗りました。
おお、名古屋ですね。

連れていってもらったのは「熱田神宮」です。
ここは、あの草薙の剣を祀ったことが始まりとされる神社だそうです。
(私は恥ずかしながら、素盞嗚尊と神武天皇日本武尊とをごっちゃに覚えていた節があり、
今回、熱田神宮に参拝したことでそのつながりがはっきりしました。ホント、恥ずかしい)

熱田神宮はとても由緒のあるところ。
例えば織田信長桶狭間の戦いの際、戦勝祈願をしたところだし、
源頼朝のお母さんはここの大宮司の娘だったというし。

このご神木は弘法大師のお手植えという言い伝えがあり、樹齢千年以上だそうです。
境内は丈高い樹々がうっそうと繁り、歩いていると清々しい気分になりました。

四季桜という桜が咲いていました。
春にも咲いて、秋にも咲く桜。
儚げな白に、どこか逆らう事の出来ない運命みたいなものを感じました。

さあ、昼ごはんです。
私の希望で「ひつまぶし」。
美味しそうでしょう。
実はこのお櫃で一個で一人分。
でもとても食べ切れそうにないので、四人で二つ頼んで分けて食べました。
甘辛いタレが滲みたウナギに薬味のわさびや海苔がぴったり。
お茶づけも最高。柔らかいウナギがほろほろ口のなかでほどけましたね。

そして私たちの帰りに合わせて名古屋駅に移動です。
ここでも私の希望で「コメダ」へ連れて行ってもらいました。
小倉トーストが食べたかったんです。
啓子さんはジュース。
面白い器でしょ。これ、シャカシャカ、振るんですよ。
啓子さん、美味しいって言ってました。

コメダでもたっぷりおしゃべりして、やがて新幹線の時間になり、
お別れです。れいこさんと小奈生さんが改札までお見送りしてくれました。
ありがとう。ホント、お世話になりました。
れいこさん小奈生さん、体に気をつけて、また青森でも名古屋でも会おうね。
啓子さん、二泊三日すっかりお世話になりました。
帰った日の夜遅くに、八戸駅までお迎えにきてくださった
ご主人にもくれぐれもよろしくお伝えください。
あと、私の記憶違いなどあったら教えてね。


最後に美味しいものひとつ。
小奈生さんお勧めの天むす。
手作りらしい温かいとても美味しい天むすでした。


今回は号外につき、玉さんの句はありません。
近々に更新いたしますのでお許しください。
名古屋の思い出をひとつ。


さざんかさざんか息をころして見る刃文   かなえ