三月のこと。①


暖かったり肌寒かったり、落ち着かない春です。
暑さ寒さも彼岸までといいますが、この春はどんな気候になるのでしょう。
ちょっと不安もある、このごろの空模様です。
さて、三月。色々ありました。
思い出しながら書いていきます。
最初の画像、図書館の庭に咲いている梅の花
新聞に載ったので本を借りがてら見に行ったところ、
何人かの人が来て写真撮影をしていました。
梅の香りがほんわり漂っていて、古人の心持ち的なちょっと優雅な気分に
なりました。梅の香りってふっくら豊かで深いですね。

三月もお芝居から始まりました。
「第4回はちのへ演劇祭」を観てきました。
今回は亡き恩師の作品、「俗物礼賛」の上演です。
一作品の所要時間が10分から15分ほどの短編集の舞台作品です。
それを一日3ステージずつマチネが二回あったので、六日間で8ステージです。
でも、私が観られたのは6ステージでした。
全部を観るには体力的にしんどいものがありました。
観終わっての感想としては、「俗物」って何だろうと思ったこと。
もっとあくどさがあってもいいのに、みんな善い人でした。
だから演技の幅が狭いように思われ、それがいまいち物足りなかったのかな。
でも、若い人の演劇に賭ける情熱はヒシヒシと伝わってきました。


とある日、実家にもちょっと行ってきました。
亡父の命日は過ぎてしまったけれど、せめてお線香でもあげたいと
思いたったわけです。
で、上記の写真ですが、これ、実家の居間の飾り棚にあったもので、
地元では蛸が乗ってくる舟ということで
「たこのふね」と言うんだそうです。
表記は不明ですが、海が荒れた後の海岸に流れつくそうです。
母は知り合いからもらったと言っていました。
綺麗ですよね。うっとりしました。で、帰ってからネットで調べたところ、
面白い事がわかりました。
まず、本当に蛸がこれに入っていたということ。

http://www.0175.co.jp/argo/

説明にある学名の「Argonauta argo」の 「argo」は「アルゴ号」と言う
船の名前だそうですが、その船、なんと「王女メディア」に出て来るんです。
メディアの夫となる人が乗ってメディアの国にやってきた船のことなんです!
ギリシア悲劇と日本の北国の片田舎の海(野辺地町)がつながったことに、
感動を覚えました。
「王女メディア」観てて本当に良かったです。


今日は句集の紹介をさせていただきます。
まず、徳永政二さんのフォト句集4「家族の名前」です。
写真は藤田めぐみさん。
好きな句を紹介させてください。


青い山ときどき通る青いバス

奥行きを見せて雷消えてゆく

すみませんこの世を捨てておりました

まだ少し君が残っているチューブ

もうどこにも行ったりしない柿の色

何でもない夜よみかんに種がある


写真と川柳が見事な調和を見せておりまして、
しみじみとします。
特にみかんの句ですが、読んだ時に


一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております   山崎方代

の短歌が思い浮かびました。
(「15歳の短歌・俳句・川柳 ①愛と恋」にも載っています)
何でもない夜、何でもないふりをして舌先に転がすみかんの種、、、、。
読む人それぞれに去来するものがあるのではないでしょうか。
政二さんの句は、解釈の幅がとても広いような気がします。
そういうところが多くの人を惹き付けるのではないでしょうか。
政二さん、本当にありがとうございました。
また、政二さんの世界に出会うことを楽しみにしております。


青森県在住の吉田州花さんが
「東奥文芸叢書」から「州花春秋」という句集を上梓されました。
本のタイトルからしてお洒落です。
好きな句を少し書かせてください。


風邪薬すこし残って雨水くる

迷惑をかけていたんだ吾亦紅

かきまぜて溶けない部分だけわたし

木の芽時みなぎるものは踏んでおく

一月を無事に渡ればこっちのもん

春だから何もない日のお赤飯

しあわせな錐も鋏も錆びてゆく

ようこそと言ったところで目が覚める

喪主でした茗荷どっさり届けられ


州花さんは桜と雪の句が多くてそちらももちろん素敵ですが、
日常の景を書いた句にも元気をもらいました。
明るくて寂しくてでも彩り豊かで、しっかり顔を上げて生きている女の人って感じで、
励まされるのです。
青森県の女性川柳界のリーダー的存在としてこれからもますます素敵な川柳を
書いていただきたいです。
州花さん、本当にありがとうございました。
実は州花さん、洋裁店を経営しています。
そして私、年金生活者の立場でありながら、思いきって州花さんに
ツーピースを仕立ててもらったのです。
何年か前に実家の母から藍染の紬の反物を貰っていたのを、
もう着物を作っても着る機会もそうそうなさそうなので、
それを洋服にしようと州花さんにお願いしたのでした。
で、この間出来てきました。とても素敵です。(着る人はさておいて)。
7月2日にある「おかじょうき」の「川柳ステーション」に着て行く予定です。


2月の「カモミール句会」のそれぞれの句を書かせてください。


左折左折左折 小さくなる訳だ 三浦潤子

ストローで待っても来ない春を吸う  守田啓子

ありがとう わたしには良い人でした 中 弘美

春の空をカギ括弧のありったけ 横澤あや子

シェルブールの雨傘だから貸しません 笹田かなえ



今月は3月24日(木)。いつものようにはち庵です。
今回は題詠として「コップ」がひとつあります。
どんな風に話が展開していくのかとても楽しみです。



では、ボーイズ+1+2の話にいきます。

ごまちゃん、暖かくなったら鼻汁少し治まってきたようです。
また、風邪薬もらってこようと思っています。
最近おねだりが上手になりました。
この網戸、この間家人が掃除してくれました。
ありがたいことです(笑)

しるこちゃんが蹲っている場所は、なながよくいた椿の木の下です。
こうして見るとどうしてもななのことを思い出してしまいます。
何とかもう少し元気になって欲しいものです。


娘がさばみちゃんの部屋の模様替えをして、ベッドの位置を少し低くしました。
おかげで顔がよく見えるようになりました。
ふっくらして可愛さが増しました。
病院へいくのを一日伸ばしにしていますが、そろそろ覚悟を決めなければね。

ぱんだとじろ、プリンタの上にいるところ。
ぱんだは雀を見るのが大好きでよく「ケケケ」と鳴きながら
見ています。はちわれのネコの目を写すのは結構難しいです。
これは娘が撮ったものですが、よく撮れています。
じろのぎょっとしたような視線がじろらしいでしょ。

なーこは私たちがご飯を食べているときに、ストーブの前の食卓の下にいるのが好きです。
きっと、こうしていたことがあるかもしれません。
なーこが福島から来たネコだと言うのは前にも書きました。
震災のあと、場所は特定されていませんが、
避難準備区域からおよそ半年経っての保護だったそうです。
その時の推定年齢は2歳。
家にくる前に何件かのお宅でお見合いをしたらしいのですが、
どこも相性が悪くうまくいかなかったようです。
あるお宅では、なーこが馴れないというので、
一週間もキャリーケースに入れっぱなしにしておいて、
動物愛護支援の会の人が様子を見にいったところ、○んちまみれになって
いたとこともあったという話をききました。
家でも最初の一か月はケージからほとんど出ようとしないで、私たちを見ると
「フーッ、フーッ」と威嚇ばかりしていました。
それでも私たちに爪を立てることはありませんでした。
そして、来て何日かで、娘の布団で寝たりしたのにはびっくりしました。
なーこが来て2年になります。
男の子がさんにんもいるとときどき小競り合いもありますが、

こんな風にさんにん並んでいるのを見ると、うちのこになってくれて
つくづくありがとうと思うのです。


これはネコの首輪です。
先月、近代文学館であった大会で初めてお会いした、
仙台の須田さんからいただいたものなのです。
須田さんもネコ好きさんで、須田さんのお宅には
くにこさんという、大変賢くておてんばなねこちゃんがいらしゃいます。
そのくにこさんから、我が家のボーイズ+1=4へのプレゼントをいただいたのでした。
ボーイズはともかく、娘が一番喜んでいました。
でも5本あります。一本多いような。
そこでよーくみると、そのうちの一本の水玉模様のものは
まりんちゃんに似合いそうだなと思い、まりんちゃんにプレゼントすることにしました。
須田さん、そういうことですので、どうぞご了承願います。

さてこの首輪、並べてなーこに選ばせたところ、オレンジを選びました。
じろは青。ぱんだは知らんぷり。
さばみちゃんへはこれを持って近づくのはまだ危険です。
で、なーことじろに付けたところ、ふたりの追いかけっこが始まり、
廊下はチリ、チリ、チリ、チリのお鈴廊下になってしまいました。
なのでいったんはずしました。
でも、なーこはしのび足が得意で、うっかりするしっぽを踏んだりすることもあるので、
鈴をつけたいところです。じろは鈴をはずして付けましょう。
と言うことで、この次は首輪を着けた写真を載せますね。


今日の美味しいものは仙台駄菓子。
こちらも須田さんからも頂き物。
今度のカモミール句会に持っていってみんなで分けるつもり。
須田さん、本当にどうもありがとうございました。


今日の一句。
玉さんは句会の「ほのぼの」という題で。
私は今年の三月の句です。

4コマのまんがになってゆく家族   玉

福島から来たネコ七歳?になった   かなえ