続「連衆」

今日はまさに日本晴れと言うにふさわしい青空でした。
この町の川柳結社の大会、無事終了。
選者の任も、無事終了。
私に任された題は「バランス」。
面白い句がありました。


「バランス」

天位  空をはみ出る虹を描いてはいけません   玉   


玉さんの句を天位に抜いてしまいました。
この句、共選でしたが、もう一人の人は、
平抜きにも採っていませんでした。
こういうとき、選者として大変愉快です。

玉さんは、もう一句天位を取っていました。


「降る」  

天位  雨の糸 金糸銀糸は花嫁に   玉

これには、もう負けましたね。
華やかでかなしくて。。。
男のくせに何でこんな句書けるんでしょう・・・ネ!
玉さんは、今回総合4位の成績でした。
おめでとう!
私は相変わらず、まるでダメ(泣)
平抜きで何句か抜けたくらいでした。
ちなみにその句は

「バランス」

すこやかにミロのヴィーナス立っている   かなえ


「例」

セーターの背中の温故知新かな   かなえ

誕生日 百年先も誕生日   かなえ


とか、です。


さて、「連衆」ですが、谷口慎也さんの意欲的な志により、
いろいろな試みをなさっていて、その中に「五句選」というのが
あります。
「連衆」の参加者(誌友)が、前号から推薦する五句を選ぶのですが、
これが、ちょっとスリリングなんです。
俳句も川柳も関係なく選ぶのですから「連衆」が届くたびに
見るのがこわかったりします。
今回は、44名455句を23名の人が選んで、ベストテンが
以下のような結果となりました。
(今までと少し趣向が違って、誰が選んだかと言うより、
どう選ばれたかのスタイルになりました。)


手間ひまをかけて蛙になっている   井ノ上 多実枝

蛇泳ぎつつ存念をかがやかす   槙原 安治

花ふぶき地球しづかに膨張す   香野 倫子

はじまりのそこに正しく豆の花   松井 康子

観自在ぼさっとみてる春の海   森 さかえ

落馬これ快音なるや桐の花   谷口 慎也

五月闇 ちょっと唇借りるわよ   笹田 かなえ

沙羅双樹この世の事はこの世にて   谷口 慎也

もう一個嘘をついたら夏休み   小柳 カツジ

雨の日のおおはくちょうとなり黙る   松井 康子

よんどころなくてちくわの穴になる   松井 康子


私は、順位とか関係なく、読む目と言うか見る目をここで養います。
でも、入っていると、やっぱりとっても嬉しいです。


千年のうさぎと亀の物語   玉

トコトコトコ夜通し地下を走る花   かなえ