うさんくさき


今日は、生ぬるい一日でした。
どんよりした空と湿った空気が、重く体を包む
感じでした。
四月に入ったとたんにこんなに暖かいと、
着るものに困ります。
もう、ダウンは着られないし、かと言って
春のコートでは帰りがちょっと心配。
あまり、大げさでないショートコートで
とりあえずしのいでおきましょ。


この間のブルームーンの夜のことです。
ブログを書き終えたあたりに、風呂上りの娘が、
ブルームーンを見たいと言い出したので、
付き合うことにしました。
でも、私が見たときよりも大分移動していて、
ちょうど、玄関からなら見える位置に出ていました。
玄関先で、娘とふたり、しみじみと月を見ながら、
ブルームーンを見ると幸せになるんだってさ。
でも、幸せってなんだろうねぇ。」と私が言ったら
娘が突然「♪しあわせ〜って、なんだっけなんだっけ〜」と
歌うもんだから、大笑いしちゃいました。
深夜の玄関先で、母娘、声を潜めて笑って歌って。
幸せって、多分、こんなことなんですよね。(笑)


「杜人」2010春 225号が届きました。
今回も読みごたえのあるページばかりです。
川柳の作品だけでなく、作品についての考察が、
とても勉強になりました。
増田まさみさん、石田柊馬さんの文章は、見事に
「杜人」と川柳の今を描いていると思いました。


一列にうさんくさきを植えてゆく   広瀬ちえみ


「杜人月例句会報 十一月例会」のこの作品に
とても惹かれました。
この句について佐藤みさ子さんが次のように短評しています。
『隣家のどうだんは、強く美しく赤い。でも、私の家の垣根は、
なぜか胡散臭いのである。私は何を隠そうとしているのか。
五七五と一列に植えてゆく言葉がどうも「うさんくさき」の
ようなのだ。』
「うさんくさき」。「うさんくささ」ではなく「うさんくさき」の
「さ」と「き」のたった一字、いいえ、横棒一本でこんなに
世界の変わる句の面白さに惹かれました。
「うさんくさき」が「うさん草木」に通じる言葉の遊びが、
また、なんとも愉快です。
私もたくさんの「うさんくさき」、植えたくなりました。(笑)


さて、今日は四月一日
約束の玉さんの表紙絵の画像です。
この男の子、玉さんにちょっと似ているかもしれないと
言ったら、玉さんに怒られるかな。



七色の手錠を持っている女   玉

刺青の馬鹿を尽くしてきた背中   かなえ