はまなす花菓子



昨日と今日は、夏でした。
今日なんて、私にしては珍しく、六月なのに
半袖のサマーセーターを着たりして、夏の気分を
味わいました。


今朝の、サッカーのデンマーク戦、本当に嬉しい勝利
でしたね。玉さんは、ちゃんと最初から全部観たそうで、
「スカッとした」と、電話の声がとても弾んでいました。
私は、さすがにリアルタイムで観ることが
できませんでしたが、今朝からずっと勝利のニュースを
追っていました。本田の、遠藤の、岡崎のゴール、何度観ても、
涙ぐみそうに、感動してしまいます。
今までは、ひとりのスーパースターに頼ってのプレイで、
どこか生ぬるいものがあったように思えたのですが、
今回は、ひとりひとりが、各々の意識で動いているように
見えて、そこがなんとも力強く頼もしく映りました。
スポーツ音痴の私が、こんなに嬉しいのだから、
サッカーファンの全国のみなさんが、どんなに喜んで
いるのかと思うと、それだけで、ぐっとくるものが
あります。今の日本の逼塞感が、少し薄れたような気さえ
しています。

サムライブルーのサムライは、「武士」のサムライではなく、
幕末の「志士」のサムライではないかと、その戦い方から
感じています。
それともうひとつ、今回、ヨーロッパの強豪チームが、
次々と敗退しているのをみて思ったのは、
やっぱり、開催地がアフリカだからなのかなあと言うこと。
アフリカの歴史を振り返ってみると、アフリカの大地の精霊たちは
おいそれと、ヨーロッパ諸国に甘い顔は出来ないのでは
ないかと、突拍子もないこと考えてしまうのです。
ああ、でも、スポーツ音痴の私の感じ方ですから、
見当違いだったらごめんなさい。


画像は、えんぶり和紙人形作家の高橋寛子さんからいただいた、
はまなすの花のお菓子です。
高橋寛子さんのことは、2月17日の「えんぶり」で
少し書かせていただきましたが、まだまだ書き足りません。
機会をあらためて、きちんと書かせていただきます。
寛子さんは、はまなすの花が大好きで、この季節にはまなすの花を
摘んで、いちまいいちまい、丁寧にグラニュー糖をまぶして
「お菓子」にします。その作り方も出来上がったものも
複雑で繊細で独創的で、なにより、素敵です。
そんな風に大切に作られた「お菓子」を、私にまで
送ってくださるのです。
本当に、感激でいっぱいの、心のこもったうれしい贈り物です。
一枚目の画像は、その「お菓子」が入っていた箱の
様子。「はまなすお菓子」と書かれてある箱の字も、書をよくする
寛子さんの手によるものです。
下の画像は、そのはまなすのはなびらのお菓子です。
そのはなびらに寄せられた一文もまた、詩も書かれる寛子さんが
書かれたものです。文の右の下のほうに薄くはまなすの花のいろが
にじませてあります。
なにもかもが、多才な寛子さんのオリジナルです。

潮騒
砂浜と
はまなす

今年も
そんな出逢いを
よろこびつヽ
はなびらのかたちを
辿り
花菓子をつくりました
御笑味下さい

六月吉日」

お菓子とありますが、お菓子と呼ぶには、
儚く、優しく、切ないかたちと色をしていて、
食べるというより、慈しむという風にして、
口にもってくると、グラニュー糖の甘さと、
野生の植物の苦さが溶けあって、花の精を
口にするような、そんな罪深さを感じたりもするのです。

寛子さん、本当にありがとうございました。
大切に、大切に賞味させていただきます。


びっしりと錆付いたのは花時計   玉

はまなすが咲いた百年なんてすぐ   かなえ