「杜人」2010 秋号

今日も、少し雲があったりしたけれど
いい天気でした。
仕事の合間にちょっと外歩きしてみたり、
帰り路も歩いて帰ってきました。
つい最近まで、夕焼け小焼けの帰り道が、
今はとっぷり暮れて、真っ暗。
何だか心もとないです。

さて、「杜人」2010秋 227号のことです。
相変わらず、読み応えがあります。
「浮 千草」作品論 「具象の達人」を川瀬晶子さんが、
呼びにゆくー佐藤みさ子さんへーを弘津秋の子さんが
それぞれのスタイルで、書き込まれていらっしゃいます。
広瀬ちえみさんのエッセイ、「私の本棚」も
面白かったです。
『絶叫委員会』穂村 弘著を取り上げていらっしゃっていて、
楽しく読ませていただきました。
『絶叫委員会』の表紙に「町には、偶然生まれては消えてゆく
無数の詩が溢れている。不合理でナンセンスで真剣で可笑しい、
天使的な言葉たちについての考察」との一文があるそうです。
その町のなかの「ことば」たち。
ちえみさんのエッセイは、巧みに『絶叫委員会』の世界に
導いてくれます。
私も『絶叫委員会』、読んでみようって気にさせられました。
「杜人」の同人作品も相変わらず光っています。
おこがましくも、好きな句を紹介させてください。


タンポポの種を身籠る古時計   鈴木逸志

塩味も酸っぱい味も稽古中   広瀬ちえみ

油蝉 声の大きな男いや   鈴木節子

寂しくて破いた紙を継ぎ合わす   鈴木せつ子

どうしても鍵がはずれる母の部屋   大和田八千代

ホスピスの壁 今生のアブラゼミ    山河舞句

人の子の子が子を産んで遠くなる   佐藤みさ子

見つめればリンドウ 目つむれば亡父   浮 千草

まじめふまじめふまじめまじめどて南瓜   都築裕幸

炎天の異国で壺が割れる音   宮本めぐみ

うちじゅうにてっしゅをおいてふくなみだ   添田星人

人間の地図を歩いた靴を脱ぐ   本村靖弘

とむらいのあとのざらざらとべたべた   加藤久

居たんだよ痛んだ異端の桃一個   大友逸星


大友逸星さんの句をもう一句。
七月例会の「短」から。

アメリカのパンツを穿いて動けない   大友逸星


さすが!逸星さんです。



今日の画像も通りすがりの一枚です。
池に泳ぐ魚とその水面に映る空と雲と建物です。
シャッターを押しただけにしては、なかなか面白い
構図になったと思ってにんまりしました。


こちらは、娘の影響でつい買ってしまいました。
去年あたりから、この街でも若い女のひとが
持っているのが気になっていました。
さて、いつ、どこへ持っていこうか(笑)


血管が切れて飛行機雲になる   玉

キレるなよキレるなよって抱きしめる   かなえ