「てのひらの月」

今日は、雲の多い空でした。
空気もひんやりして、そろそろコートも
裏地のあるものにしようかなと考えています。
お天気が続いたから、明日あたり雨になるかもしれないな。
今夜は十三夜ですが、残念ながらお月さまは見えません。
何度か夜空を見上げては、恨めしく引き下がっています。


今日の画像ですが、川柳の友達の柴崎昭雄さんから送って
頂いた詩集「てのひらの月」です。
詩を書き始めてから20数年の作品を纏められたものだそうです。
帯に、こうあります。
「かぞくのきずな、かぞくのこころ」
18才のとき、障害者として出発した。
生かされることを再びいただいたと感じた。
かれは詩を書き、歌(川柳)をうたった。
いのちのかぎり。


家族のこと、自分のことを素直に書かれた詩は、
素直に心に沁み入ってきます。
昭雄さんの川柳は、こういう風な土壌で書かれたのだと、
とても納得しました。
詩集の最初に「水無月」という作品があります。
水無月に得たもの、失ったものを手繰り寄せるように
書かれてあって、読み進むうちに身の裡の
そういう「時」を知らず知らず重ねてしまいます。


一編だけ紹介させてください。


「雪あかり」


青い足跡みつけたよ
雪夜の底に張りついて
卵を抱いて朝を待つ
青い足跡みつけたよ
夜明けの空に吊るされて
手鞠を抱いて人を待つ
夢から醒めたうつし世は
雪いちめんのふるさと


青いてのひらみつけたよ
月の真下に揺れていて
遠い約束おもいだす
青いてのひらみつけたよ
夜明けの海に浮いていて
彼岸此岸の花おもう
夢から醒めたうつし世は
雪いちめんの手紙


みつけたものを
しっかりと胸にしまい込む
雪があおあおと喉に積もってゆく


この詩だけが、他とちょっと趣を異にしていて、
なんだか童謡みたいだなと感じました。

昭雄さん、おめでとうございます。
柴崎昭雄詩集「てのひらの月」は
リトル・ガリヴァー社の発行です。


さて、今日から秋の土用なんだそうです。
うなぎやあなご、根っこの野菜を食べて
体をいたわりましょう。
と言いながら、今日の「プチグル」。
今日は、娘に頼んで三春屋さんの地下からゲット。

まず、「とんかつの宮政」のヒレカツ(100円)。
このお店は、以前は店舗を構えて営業してましたが、
現在は、三春屋さんの地下の出店だけのようです。
豚肉は、もちろん国産。他にお惣菜もあって、
良心的な味付けと値段で、人気のお店です。
今回は二枚買ってきてもらって、今夜のおかずにしました(笑)。

こちらの画像、向かって左が「北家」の
「てんぽ」(三枚200円)です。
大判焼を少し薄くしたものと言ったらいいでしょうか。
皮は塩味で柔らかい南部せんべいみたいと、私は認識しています。
「てんぽ」の語源はわかりません。
本来は中に何にも入っていないのですが、
このお店では、ずんだとかクルミ味噌などがはさんであります。
もちっとした食感が、けっこうクセになります。
向かって右は西川の団子屋の「三色だんご」(100円)。
味はすあま系です。
娘がここで買うときに、やっぱり「プチグル」のチラシを
持っていたひとが何人かいたそうです。
いいことですね。「プチグル」をきっかけにお店のひとと
仲良くなったり、買いにくる人とお互いに会話するのって、
楽しい。こんな風に人が動いているうちに、
街が元気になるような気さえしてきます。

昨日の夕方の空です。お月さま、見えますか?



月だけが見守るガラス越しのキス   玉

恋泥棒わたしの笑顔返さない   かなえ