十一月の

今日は、時折、時雨が降ったりして、いかにも
晩秋の風情たっぷりの一日でした。
せっかくの紅葉が風に散らされて、あちこちに
落ち葉の小山を築いています。
湿り気を含んだ木の葉の匂いがします。
寂しいような心安らぐような匂いです。
落ち葉を踏みながら、少しのんびり歩くのが
今の楽しみのひとつです。


ブログの更新、すっかりさぼってしまいました。
特に何があったわけではありません。
ただ、ちょっとのんびりしすぎただけです。
秋の催し物に出かけたり、本を読んだり、
川柳と関係のない時間を過ごしていました。
それでも、やっぱり、なにか目新しいものがあると、
つい、5,7,5が頭に浮かんでくるから、
しょうがありませんね(笑)。


先週の土曜日は、しぶる娘を引き連れて青森市まで、
遊びに行ってきました。

こちらです。「北斎の富士」――生誕二百五十年記念展。
いやー、見ごたえがありました。
「富獄三十六景」全46図に変わり摺り4図を加えた初公開作品を
含む50点と、「富獄百景」の102点、希少な初摺りを示す
「鷹の羽」版を含んだ原本3冊の展示!だそうです。
よくもまあ、あれだけの富士が描けたものだと、
目を凝らして見てきました。
うっかりすると、どこに富士があるのかと思うほど、
判事ものみたいな絵があったり、しゃちほこと富士はないだろとか、
あらゆる場所から想像の限りをつくしての「北斎の富士」。
たっぷりと堪能してきました。
そのあとは、娘が友達から聞いて行きたかった「マロン」と言う喫茶店へ。
このお店は、さきごろ青森市の「グラフ青森」という
出版社から出版された「青森のすてきなカフェ&喫茶店etc」という
小冊子にも載っている、なかなか個性的なお店です。
お店のなかは、昭和で時間が止まっているかのような
アンティークなものであふれていました。


たとえば、このブリキのおもちゃ。

たくさんの古時計。

懐かしいガラス器。手動の蓄音機もありました。

私は今のおススメのかぼちゃプリン
娘はフルーツケーキ(?)を食べてきました。
カップルや家族連れのお客さんが多く、一人なら
いかないだろうなという(笑)健康的な感じがしました。
でも、機会があったらまた行きたいお店です。
「マロン」へは、「善知鳥神社」を目印に行きました。
もちろん、お参りもしてきました。
最初の画像は、裏手のほうにある弁財天を祀ってあるお社。
ここも落ち着く空間です。
そうそう、マロンへ行く途中、通りすがりに何とも気になる
佇まいのお店があって、覗いてみると和菓子屋さんです。
ほんと、何のへんてつもないガラス戸に看板も近付かなければ
よく見えないという風に、ちょっと商売っ気のない感じの
お店でしたが、そこは「プチグル」できたえたカンにピンと
きましたね。とりあえず「亥の子餅」と「上用まんじゅう」と
「きみしぐれ」の三つを買ってきましたが、ドンピシャリ。
和三盆の上品な甘さが、しつこくなくいくらでも食べられそう。
「亀屋八幡」というお店ですが、今度青森へ行ったら、
また、絶対寄ってこようと思いました。

これが亥の子餅。今日はその亥の子餅を食べる「亥の子祭り」です。
江戸時代には、この日にこたつや火鉢を出したんだそうです。
そして、夜の9時から11時ごろの間に、このお餅を食べたんだとか。
11月7日は立冬、11月8日は鞴祭り、そして今日の「亥の子祭り」と
否応なく冬がやってきます。

福山龍馬の暗殺まであと少しなのも寂しい限り。
そう言えば、龍馬だって脱藩浪士という犯罪者だったんだよね。
例のビデオ流出騒ぎの件で、仙谷官房長官
「犯罪者を称揚するようなことがあってはならない」みたいなことを、
言っていたけど、おおかたの人は「犯罪者」とみなしていないのでは
ないかと思っています。
叶うなら、政府でビデオを公表していたらこういう「犯罪者」を
出さなくてもよかったのではないんじゃないかなとも。
現場にいるもののやむにやまれぬ事情みたいなものを、
今回の騒動から感じているのです。



月までの距離を計れぬ亀の首   玉

お手玉の音なき音を受け止める   かなえ