「第52回北日本川柳大会」

今日は、寒い寒い一日でした。
雪も少し降りました。
吐く息が白く見えて、風がピューピュー。
冬になってから、一番の寒さではなかったでしょうか。
今夜は水道の凍結に気をつけなければいけません。
冬本番、気を引き締めていきましょう!


今日の画像はそんな冬の風物詩、新巻鮭です。
通りすがりに、「おっ」と立ち止まりました。
目がくっきり開いていて、口からのぞく歯も鋭く
尖っています。

こんな感じの小さなお店の軒先に売られていました。
腸を抜かれた鮭が、風に吹かれてぶら下がっているのを
見るのは、この季節ならではのものがあります。
これもまた、この街の通りすがりの一枚です。


十月三十一日に「北日本川柳大会」という、
この街の川柳結社の大会がありました。
そのときの大会誌が届いていますので、
三才だけ紹介させてください。


宿題

「厚い」     佐々木銀湖 選

人位 厚い壁抜けた人生味がある   佐藤允

地位 北の駅降りて男の胸を借り   小沢賢治

天位 双葉から花へアルバム厚くなる   三浦幸子


「厚い」     八木田幸子 選

人位 人望の厚さで埋める長(おさ)の葬   小沢賢治

地位 蔦が這う疵の厚さを縫うように   横澤あや子

天位 背表紙は妻だ支えている厚さ   西山金悦


「他人事」    小沢賢治 選

人位 他人事のように鼾をかくダルマ   北村吾朗

地位 この先は三猿になる他人事   生田泰川

天位 他人だなぁと思う心が読めなくて   八木田幸子


「他人事」     三浦幸子 選 

人位 線香の匂い終ればもう他人   山田十九子

地位 他人事だから鼻毛を抜いている   袴田よし司

天位 人様のことで楽しい週刊誌   岩沢 桂


「景色」      袴田よし司 選

人位 妻と手をつなぎたくなるいい景色   柳清水広作

地位 寝転べば青空全部僕のもの   吉田保

天位 寝たきりの視野に借景巡る四季   柳瀬一子


「景色」      笹田かなえ 選

人位 駄々こねた色で満ちてる子らの海   北村吾朗

地位 紅葉まんだら葬列が通ります   宮村 玉

天位 母が笑った木の実がひとつ増えました   横澤あや子


「残」       北村吾朗 選

人位 うやむやにされた火種が火を孕む   八木田幸子

地位 残り火を消して乳房は石になる   豊巻つくし

天位 残照にぽつんと女の置手紙   西山金悦


「残」       横澤あや子 選

人位 溶け残る砂糖愛した方が負け   三浦潤子

地位 残照にぽつんと女の置手紙   西山金悦

天位 天空の端に残っている一語   小野公樹


「意外」      柳清水広作 選

人位 やませには美肌効果があるそうよ   笹田かなえ

地位 土壇場で蟹がまっすぐ歩き出す   北村吾朗

天位 貝の口ヒミツを洩らすことがある    野口一滴


「意外」      出町国子 選

人位 のろまだと思った友に追い越され   中村春太

地位 手を焼いた子が一番の親思い   柳清水広作

天位 土壇場で蟹がまっすぐ歩き出す   北村吾朗


席題

「川」       佐藤允昭 選

人位 加齢して薬の川で溺れてる   西山金悦

地位 ふるさとに愚痴を流した川がある   川村俊雄

天位 無縁社会人間の川涸れている   野口一滴


「○△□・連想吟」 西山金悦 選

人位 妻や娘が少女にかえる十三夜   大久保健峰

地位 ニューハーフ声を聞くまで解らない   金田昭子

天位 銅鏡に尽きぬ卑弥呼の秘話がある   野口一滴



一年に一度のお祭りということで。。。
実はこの大会での私と玉さんの入選句を、
12/7、12/9、12/12と今日、例の最後の二句に使っています。
どれがどの題に出したかわかりますか?(笑)

この画像、ノーベル賞の授賞式にちなんでの一枚。
そう、あのチョコレート(笑)。
職場の人が新婚旅行に行ったときのお土産にもらったものです。
話のタネに載っけてみました。
取っといてよかった!(笑)



ポケットに僕は凶器を残してる   玉

お湯が沸くと歌うポットじゃあるまいし   かなえ